高安動脈炎(大動脈炎症候群) :トップ    
監修: 金子礼志 国立国際医療研究センター 膠原病科
坂内穎 東京大学医学部附属病院アレルギーリウマチ内科

概要

疾患のポイント:
  1. 高安動脈炎は、主に大動脈やその分枝および肺動脈、冠動脈に閉塞性あるいは拡張性病変を来す大型血管炎である。わが国では大動脈ならびにその分枝血管が障害されることが多い。大動脈炎症候群とも呼ばれる。疲労感・倦怠感・微熱・関節痛・体重減少・筋痛・虚血症状など非特異的な症状を呈することが多い。
  1. 高安動脈炎の場合はほとんどの場合10~40歳代に発症する。1:9の割合で女性に発症することが多い。高齢発症もあり得るが、側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)を含む他の疾患を考慮する。
  1. 高安動脈炎は、指定難病であり、重症度分類Ⅲ度以上の場合などでは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断: >詳細情報 
  1. 米国リウマチ学会(American College of Rheumatology、ACR)は本症の分類基準を作成しているが、進行した例に当てはまるものである。すなわち、下記6項目中3項目以上を満足すれば、高安動脈炎と分類する(感度90.5%、特異度97.8%)。
  1. 発症年齢が40歳以前
  1. 四肢の跛行
  1. 腕動脈の拍動減弱
  1. 上腕血圧の左右差(>10mmHg)
  1. 鎖骨下動脈や大動脈弓部分の血管雑音
  1. 大動脈やその分枝、四肢の大型動脈に血管造影上の狭窄や閉塞の所見
  1. わが国では、厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班・大型血管炎臨床分科会において、高安動脈炎診断基準(2017年版)を作成している(<図表>)。確定診断は画像診断(CT、MRI、超音波、FDG-PET/CT、胸部X線、血管造影)によって行う。表(<図表>)のうち、A)1項目以上の症状と、B)大動脈とその第一次分枝の両方あるいはどちらかに、多発性またはびまん性の肥厚性病変、狭窄性病変(閉塞を含む)あるいは拡張性病変(瘤を含む)のいずれかを認め、C)鑑別疾患を除外できるものを高安動脈炎と診断する。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. 米国リウマチ学会(American College of Rheumatology、ACR)の分類基準( >詳細情報 参照)のうち6項目中3項目以上を満足すれば、高安動脈炎と分類する(感度90.5%、特異度97.8%)。 >詳細情報 
  1. ほかに、わが国の厚生労働省では認定基準を作成している。確定診断は画像診断を中心に行う。
  1. 診断に際し、感染性大動脈炎(梅毒性、結核性)を除外することが必要である。
○ ほぼ全例で1)2)5)7)8)12)13)16)17)を行う。サルコイドーシスを疑う場合は3)を、動脈硬化性病変を疑う場合は4)を、血管炎を疑う場合は6)を、IgG4関連大動脈炎・動脈瘤を疑う場合は9)を、発熱/炎症反応上昇を認める場合は10)11)を、発熱や心雑音を認める場合は14)を行う。悪性腫瘍随伴症候群が疑われる場合や全身における病変部位の局在や活動性を精査する場合には18)を行う。その他、治療前に骨粗鬆症を疑う患者では15)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

高安動脈炎の診断アルゴリズム
高安動脈炎 血管造影
高安動脈炎 MRI像
血管造影 腎動脈狭窄
高安動脈炎のFDG-PET画像
高安動脈炎の診断基準
著者校正/監修レビュー済
2018/07/04

改訂のポイント:
  1. 血管炎症候群の診療ガイドライン(2017年改訂版)
に基づき改訂。