身体化障害 :トップ    
監修: 上島国利 昭和大学
吉邨善孝 済生会横浜市東部病院 こころのケアセンター 精神科

概要

疾患のポイント:
  1. 身体化障害とは、30歳以前に発症し、何年にもわたって反復性で多彩な身体愁訴(胃腸症状、疼痛症状、心肺症状、転換症状、性症状、女性生殖器症状など)がみられる精神障害である。
  1. 30歳以前に生じ、原因が特定されない反復性で多彩な身体愁訴がみられる場合は、身体化障害を疑い診療にあたる。 エビデンス 
  1. 生涯発生率は女性が0.2~2%、男性が0.2%である。
 
診断: >詳細情報 
  1. まず詳細な病歴の聴取を行い、器質性疾患の否定から開始する。
  1. 反復性で多彩な身体愁訴(胃腸症状、疼痛症状、心肺症状、転換症状、性症状、女性生殖器症状など)がみられる。
  1. 米国精神医学会の診断マニュアル(DSM5)では、身体化障害の診断名および身体表現性障害のカテゴリー(身体症状症およびその他の明らかな身体症状を伴う障害群)はなくなり、身体症状症および関連症群というカテゴリーに再構成された。身体化障害は身体症状症に類似した診断的特徴をもつ。
  1. 身体化障害の診断を補強する患者の姿勢として、診断よりも「症状」を取り除くことを要求し、苦痛な症状を取り去れと主張し続ける行動をとることが多い。 エビデンス 
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 経過は長く、症状はしばしば消長する。増大した心理社会的要因の影響、社会的サポートの不良さが身体症状の悪化に関連する。
  1. 併存精神疾患がみられることがしばしばあり、この場合、予後はさらに不良となる。
 
治療: >詳細情報 
  1. 治療にあたっては、身体愁訴を医療的な愁訴ではなく、情動的表出として捉えることが望ましい。信頼できる精神科医師と身体診療科医師が連携し、論理的に長期的戦略によって診療にあたる
  1. 治療の主体は支持的精神療法、認知行動療法となる。心理療法と同様に、併存する不安障害や気分障害などの精神疾患に対して向精神薬による薬物療法を検討する。 エビデンス   …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の検査例
  1. 下記の検査に加え、薬剤歴、アルコール歴、家族歴(精神疾患、自殺完遂・企図者)、抑うつ・不安の評価も重要である。
○ スクリーニングとして、下記の検査を病態に合わせて適宜行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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身体化障害の診断アルゴリズム
身体化障害の治療アルゴリズム
身体化障害発症の機序
著者校正/監修レビュー済
2016/09/02