慢性腎臓病(CKD) :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院

概要

疾患のポイント:
  1. 慢性腎臓病(CKD)とは、2002年にK/DOQIが提唱した概念で、腎臓の傷害(主として尿蛋白陽性)か腎臓の機能低下(GFRの低下)が3カ月以上持続した状態をいう。
  1. CKDは末期腎不全の危険のみならず、心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞、末梢動脈疾患など)発症の危険をも負っていることから、早期発見と対策が社会的な課題となっている。
  1. 末期腎不全と心血管疾患の発症の危険は、GFRが低下するほど、また尿蛋白(尿アルブミン)量が多くなるほど高くなる。したがって、CKDの重症度分類はGFRによるステージと尿蛋白(尿アルブミン)量によるステージの組み合わせで決められている。
  1. CKDの重症度分類:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 下記の診断基準に沿って診断をする。
  1. CKD診断基準:
  1. 下記の1か2が、3カ月以上持続する病態をCKDと診断する。
  1. 1:腎の構造的または機能的異常(腎障害):
  1. 腎の病理学的異常
  1. 血液または尿の検査値異常 エビデンス 
  1. 画像検査による腎の形態異常
  1. 2:糸球体濾過量<60mL/分/1.73m2 エビデンス 
  1. 日本人におけるGFR推算式:eGFR:推定糸球体濾過量(日本腎臓学会計算式)
 
CKDステージング(重症度)の評価:
  1. GFRによるステージをGで表し、尿蛋白(尿アルブミン)によるステージをAで表す。
  1. GとAのステージの組み合わせでCKDの重症度が定義されている。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断・重症度評価のための検査例
初診時の評価:
  1. まず、初診時には以下の5ステップに沿って評価を行う。検査としては、特に腎エコー、尿蛋白測定は必須である。病歴と身体所見から、適宜、全身疾患を鑑別するためのオーダーを追加する。
  1. 1:CKDの診断
  1. 2:原疾患の鑑別(狭義の腎疾患[IgA腎症、膜性腎症、腎硬化症など]または二次性腎疾患[糖尿病性腎症、ループス腎炎など])
  1. 3:尿蛋白(アルブミン)量の定量(必ず、尿中クレアチニン濃度で補正)
  1. 4:血清クレアチニンの測定とeGFRの計算
  1. 5:合併症の評価(①高血圧、②脂質異常、③肥満、④糖尿病、⑤メタボリックシンドローム、⑥貧血)
 
  1. 注)尿蛋白(±)の扱いについて
  1. 従来、尿蛋白(±)は陰性と考えていたが、尿蛋白(±)の中に尿蛋白ステージA2がかなりの割合(約60%)含まれていることが分かった。そのため、尿蛋白(±)では陰性と考えず慎重に対処する必要がある。健診では生活習慣の改善・指導を行い、翌年も尿蛋白(±)であれば医療機関受診が薦められている(日本腎臓学会誌 2017;59(2):38-42.)。医療機関では尿蛋白(±)では必ず尿蛋白(アルブミン)と尿クレアチニンを定量して、その比をとって評価する。
 
診断・重症度評価のための検査:
  1. 診断と重症度評価のための評価として、尿検査、血清クレアチニン値、尿中クレアチニン値、尿蛋白または尿中アルブミンの評価を行う。
  1. 日本では尿中アルブミンは糖尿病腎症のみ保険適用があるため、糖尿病以外では尿蛋白を使って評価する。
  1. 上記のCKD診断基準に沿って診断を行う。
○ CKDを疑う患者では、1)~5)による評価を行う。筋肉量が少ない、あるいは多い患者では6)による評価も行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

CKDの原因疾患の鑑別と治療方針
著者校正/監修レビュー済
2017/10/31


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