糖尿病性腎症 :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
古家大祐 金沢医科大学 糖尿病・内分泌内科学

概要

疾患のポイント:
  1. 糖尿病性腎症とは、糖尿病による細小血管障害(microangiopathy)の結果、腎障害が起きる疾患である。多くは網膜症や神経障害を伴うが、それらを合併していないこともある。
  1. 病期分類は糖尿病性腎症合同委員会(2013年12月糖尿病性腎症合同委員にて改訂)で定めたものが使われている。しかし、CKDの重症度分類(日本腎臓学会「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」)も使われる。
 
診断: >詳細情報 
  1. 糖尿病を認める患者では、少なくとも年1回以上、尿中アルブミンが陽性の場合は、4カ月ごとに尿中アルブミンを評価する。なお、評価は随時尿で行うことが可能である。同時に、腎機能を、Crを用いたGFR推算式またはシスタチンCを用いたGFR推算式にて把握する。
  1. 尿蛋白陰性か軽度陽性(1+程度)の場合では、尿中アルブミンと尿中クレアチニンを測定し、3回測定中2回以上、尿中アルブミン/尿クレアチニン比が30~299mg/gCrにて微量アルブミン尿/早期腎症の診断となる。
  1. 蛋白尿陰性でも、尿アルブミンを測定する。初期の腎症の存在を示す、微量アルブミン尿(30~299mg/gCrまたはmg/日)を見逃さないことが重要である。
  1. 腎機能が低下してきても、腎の大きさは正常のことが多い。萎縮していれば、腎硬化症や虚血性腎症の合併を考える。
 
病期分類・予後: >詳細情報 
  1. 尿アルブミン/尿Cr比、あるいは尿蛋白量、それに加えて腎機能(血清Cr値、あるいは推算GFR値)にて病期を評価できる。
  1. 第1期(腎症前期):
  1. 正常、推算GFR 30mL/分/1.73m2以上
  1. 第2期(早期腎症期):
  1. 尿アルブミン/尿クレアチニン比 30~299mg/gCr、推算GFR 30mL/分/1.73m2以上
  1. 第3期(顕性腎症期):
  1. 尿アルブミン/尿クレアチニン比 300mg/gCr以上、推算GFR 30mL/分/1.73m2以上
  1. 第4期(腎不全期):
  1. 推算GFR 30mL/分/1.73m2未満
  1. 第5期(透析療法期):
  1. 透析療法中
 
合併症の評価: 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

糖尿病性腎症のスクリーニング例
  1. 糖尿病を認める患者では、少なくとも年1回以上、尿中アルブミンが陽性の場合は、4カ月ごとに尿中アルブミンを評価する。なお、評価は随時尿で行うことが可能である。同時に、腎機能を、Crを用いたGFR推算式またはシスタチンCを用いたGFR推算式にて把握する。
  1. 腎サイズ:腎肥大(エコー検査、CT検査、MRI検査)
○ 糖尿病を認める患者では、定期的に下記の検査を考慮する。特に、尿一般検査で尿蛋白 - ~ 1+を認める患者では、尿中アルブミン、尿中Crを測定する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者校正/監修レビュー済
2018/02/28