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糖尿病性腎症

著者: 古家大祐 金沢医科大学 糖尿病・内分泌内科学

監修: 岡田浩一 埼玉医科大学 腎臓内科

著者校正/監修レビュー済:2020/04/03
参考ガイドライン:
  1. 日本糖尿病学会:糖尿病診療ガイドライン2019
  1. 日本腎臓学会:エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018

概要・推奨  

  1. すべての糖尿病患者では、定期的に検尿(微量アルブミン尿、蛋白尿)とeGFR の測定を行い、糖尿病性腎症発症を早期発見することが強く推奨される(推奨度1)。
  1. 厳格な血糖コントロール(目標HbA1c 7.0%未満)は、糖尿病性腎症の発症および進行を抑制するが、急激に血糖をコントロールすると低血糖を誘発して死亡率を悪化させる可能性もあり、患者によりバランスをとることが推奨される(推奨度2)。
  1. 顕性腎症期後期以降では経口血糖降下薬・インスリン治療の際に低血糖に対する注意が必要となり、特に、腎不全期(推算GFR30 mL/分/1.73㎡未満に相当)ではインスリン治療、DPP-4阻害薬、一部のGLP-1受容体作動薬、αグルコシダーゼ阻害薬が原則となる(推奨度2)。
  1. 高血圧を合併した糖尿病性腎症の患者は、ACE阻害薬やARBを中心とした降圧療法により、130/80mmHg未満に管理することが推奨される(推奨度2)。
  1. 2 型糖尿病では厳格な血糖・血圧管理、ACE阻害薬 やARB の投与、スタチンによる脂質低下、低用量アスピリン、抗酸化薬、運動・禁煙指導のチーム医療による多角的強化治療により早期の腎障害の進行を抑制することが強く推奨される(推奨度1)。
  1. 顕性腎症期後期以降の糖尿病性腎症では、腎機能障害の進行抑制の可能性があるため、たんぱく質制限はおそらく推奨される(推奨度2)。
  1. 病期にかかわらず、高血圧を合併している糖尿病性腎症の患者には食塩制限の指導を行うことが推奨される(推奨度2)。
  1. SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジン、カナグリフロンジン、ダパグリフロジン、GLP-1受容体作動薬であるリラグルチドは、アルブミン尿の進行の抑制が期待できる(推奨度1)。特に、SGLT2阻害薬は、持続的な40%以上のeGFR低下、Cr倍化、末期腎不全、透析導入・腎移植、腎死を抑制できることが期待される(推奨度1)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 糖尿病診療ガイドライン2019およびエビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018に基づき、以下について改訂を行った。
  1. 高血圧を合併した微量アルブミン尿以上の糖尿病性腎症に対してACE阻害薬、ARBを推奨する。
  1. 大規模研究のメタ解析に基づき、SGLT-2阻害薬およびGLP-1受容体作動薬の糖尿病性腎症に対する影響を追加した。
  1. 正常血圧の糖尿病、アルブミン尿や蛋白尿のない高血圧合併糖尿病に対して、第一選択薬は、Ca拮抗薬、サイアザイド系利尿薬、ACE阻害薬、ARBである。
  1. 血糖降下薬であるSGLT-2阻害薬、GLP-1受容体作動薬は糖尿病性腎症の進行を抑制する。


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