エタノール中毒 :トップ    
監修: 箕輪良行 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問
上山裕二 医療法人倚山会 田岡病院 救急科

概要

疾患のポイント:
  1. エタノール中毒とは、エタノールを大量に摂取することにより、酩酊、歩行障害、もしくは昏睡などの中毒症状を来した状態である。
  1. 急性エタノール中毒は、血中のエタノール濃度が上昇し、脳が麻痺し現れる症状である。主な症状は脱抑制作用、協調運動障害、記憶障害、昏睡などといった中枢神経症状と、血管拡張+二次性の脱水による低血圧と頻脈である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 急性エタノール中毒は、病歴と身体所見から、ほとんどの場合診断可能であるが、他の隠れた疾患を見逃さないようにする姿勢が大切である。
  1. 意識障害の原因として、急性エタノール以外にAIUEOTIPSが有名である。またWernicke脳症やケトアシドーシス、アルコール離脱症状などの可能性についても必ず検討すること。特に、アルコール血中濃度が低いにも関わらずGCSが14点以下である場合には、意識障害の原因としてアルコール以外のものを検索することが強く推奨される。 エビデンス 
 
エタノール血中濃度と中毒症状:
  1. 0.02〜0.03%:20〜30mg/dl=リラックスして頭がふらふらする
  1. 0.05〜0.06%:50〜60mg/dl=感情の表出が高まる
  1. 0.08~0.09%; 80~90mg/dl= 言語表出、バランスと運動協調の障害
  1. 0.1〜0.12%:100〜120mg/dl=視力障害:聴力障害:インポテンス
  1. 0.14〜0.17%:140〜170mg/dl=意識の混濁
  1. 0.2%;200mg/dl=錯乱:吐き気:嘔吐:咽頭反射の消失
  1. 0.25%;250mg/dl=重度:精神的:物理的および感覚障害
  1. 0.3%;300mg/dl=意識消失
  1. 0.35%;350mg/dl=呼吸機能低下
  1. 0.4%;>400mg/dl=昏睡:低血圧:低体温症:死亡
 
治療: >詳細情報 
  1. エタノールの急性中毒に特異的な解毒薬や拮抗薬はない。まず、気道確保・補助換気といった緊急処置が必要かどうかを判断しつつ、輸液路を確保し、輸液により脱水の補正を行う。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

重症度評価例
  1. 重症度評価のため血中アルコール濃度を評価する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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エタノール中毒患者の診断アルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05