フグ中毒 :トップ    
監修: 箕輪良行 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問
三木俊史 近森会近森病院 救命救急センター

概要

疾患のポイント:
  1. フグ中毒はテトロドトキシンを含有しているフグ目の魚を摂取することによって生じ、海洋生物による致死的な中毒の代表である。
  1. フグ中毒の発生原因の第1位は、いわゆる素人調理によるもので、自分で釣ったフグや内臓を処理していないフグを譲り受け、自宅で調理・摂取することが中毒原因となっている事例が多い。
  1. 一般的に最初の症状は、通常、摂取後6時間以内に始まり、口唇・舌、その周囲や四肢遠位端のしびれ感や異常感覚などの感覚症状である。
 
診断: >詳細情報  アルゴリズム
  1. 診断は原因となるフグの摂取歴があり、テトロドトキシン毒性の臨床症状を観察することによる。
  1. 患者の尿や血清、残った魚でテトロドトキシンが検出されれば診断は確定する。
  1. テトロドトキシンは急速に代謝され、主に尿を介して排泄されるため、尿検査は、好ましい方法である[5]。
 
フグ中毒の重症度分類: >詳細情報 
  1. Grade1. 胃腸症状の有無にかかわらず口周囲のしびれや感覚異常(摂取後5~45分)
  1. Grade2. 舌・顔面・四肢遠位端のしびれ感、初期の運動麻痺や失調、呂律困難、反射は正常(摂取後10~60分)
  1. Grade3. 全身の弛緩性麻痺、呼吸不全、失声、瞳孔の固定と散瞳、患者の意識は保たれる(摂取後15分~数時間)
  1. Grade4. 低酸素血症を伴う重症呼吸不全、低血圧、徐脈、不整脈、意識障害を伴う可能性がある(摂取後15分~24時間)
 
治療: >詳細情報  アルゴリズム
  1. 治療は支持療法であり、特別な抗毒素はない。症候性徐脈には、アトロピンを用い、低血圧には輸液と昇圧薬を用いる。
  1. 麻痺があっても通常は意識が保たれているので、適切に鎮静する。
  1. フグ中毒の死因のほとんどは、呼吸筋麻痺による換気不全である。呼吸困難または呼吸停止に対して、気管挿管し、人工呼吸器管理を行う。
  1. 摂取後1時間以内であれば胃洗浄を考慮するが、嘔吐・誤嚥に注意する。活性炭を投与する。
 
専門医相談のタイミング: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時検査
  1. 臓器障害の評価とその他の神経障害を来す電解質・代謝などを除外するルーチン検査。
○ フグ中毒を疑い入院経過観察をする場合、下記の検査を追加する。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

フグ中毒のアルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2016/05/13