慢性動脈閉塞 :トップ    
監修: 永井良三 自治医科大学
宮田哲郎 山王病院・山王メディカルセンター 血管病センター

概要

疾患のポイント
  1. 動脈閉塞とは、文字どおり動脈が閉塞をすることである。動脈が閉塞するまでの時間により、急性動脈閉塞と慢性動脈閉塞に分類される。急性動脈閉塞では、迅速に血流を回復しないと、発症から6~8時間で不可逆的変化となる。慢性動脈閉塞では側副血行路で血流は維持されるが、その発達の程度により臨床症状が異なる。
  1. 慢性動脈閉塞では間歇性跛行(歩行時に腓腹部が硬く張り痛むが、休憩で軽快することを繰り返す)、重症下肢虚血(足が痛くて夜寝られない。足が締め付けられるように痛い。趾の色が変わった。趾に傷ができていつまでも治らない。趾が黒くなった。趾から足部が赤く腫れている。発熱している。)等の症状を来す。
 
閉塞性動脈硬化症(ASO)
  1. ポイント:
  1. 閉塞性動脈硬化症(:arteriosclerosis obliterans、 ASO)は、主に下肢の、主に大血管が慢性に閉塞することによって、冷感、間歇性跛行、重症の場合には下肢の壊死にまで至ることがある疾患である。
  1. ASOは全身血管病であり、日本人のASO患者の約3割に虚血性心疾患を、約2割に脳血管障害を合併する。虚血性心疾患あるいは脳血管障害のいずれかを合併するpolyvascular diseaseは約4割である。このためASOと診断した場合は、下肢症状のみならず、生命予後改善のために動脈硬化疾患のリスク因子改善を検討する必要がある。
  1. 診断:
  1. 血流の悪化を認め、腰部脊柱管狭窄症などの鑑別疾患を除外し、動脈硬化が動脈閉塞の原因と評価した場合には、ASOと診断する。
  1. 鑑別:腰部脊柱管狭窄症は、動脈閉塞時の間歇性跛行と類似した症状を示す。ABI測定、トレッドミル歩行負荷検査(含近赤外線分光法検査)で鑑別する。
  1. 重症度評価:
  1. Fontaine分類(フォンテイン分類)は、重症度基準としてよく用いられている。
  1. Fontaine 1度:下肢の冷感や色調の変化。無症状も含める。
  1. Fontaine 2度 :間歇性跛行
  1. Fontaine 3度 :安静時疼痛
  1. Fontaine 4度:皮膚潰瘍、下肢の壊死。通常、患者は激痛を訴える。
  1. 治療:
  1. ASO生命…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

非専門医での評価例
  1. ABI測定による重症度評価は、下肢動脈閉塞を示す客観的指標である。
  1. ABI≦0.9では、何らかの下肢の血流障害を示唆する。
  1. また、足の脈拍の有無を確認することも大事である。
  1. 画像診断として、造影CT検査による動脈全体像の把握が有効である。
  1. 腎障害や造影剤アレルギーで造影剤が使用できない場合は、MRAを行うことで全体像を評価できる。
○ 下記の検査を客観的指標の評価として1)を用いる。閉塞部位の評価目的で2)3)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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足部、下腿部潰瘍・壊死の鑑別診断
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05