胸痛 :トップ    
監修: 林寛之 福井大学医学部附属病院
山田直樹 福井大学医学部附属病院 救急部

概要

症状のポイント:
  1. 胸痛は救急外来で頻回に遭遇する主訴の1つであり、米国救急外来のデータによると、2番目に多い訴えである。
  1. 常に緊急性の高い疾患から除外していく姿勢を忘れず、病歴・身体所見・心電図やX線などで少しでも疑いがあれば、さらなる検査や治療をためらってはいけない。
  1. 以下の疾患を常に念頭に入れて診察を進める。
  1. 大動脈解離
  1. 急性冠症候群
  1. 肺塞栓
  1. 必要なコンサルト(大動脈解離のときの心臓血管外科コンサルト、急性冠症候群のときの循環器内科コンサルトなど)を行いつつ、手術や経皮的冠動脈形成術などの決定的な治療までに状態を安定化させる処置(呼吸・循環・疼痛管理)を行う。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 診断を進めていくにあたり、十分な鎮痛を行う。時間を要する検査の結果を待つ間、強い痛みを放置することは胸痛の原疾患そのものに対しても好ましくない。
  1. 強い痛みに対してはモルヒネを静注投与する(ただし、不安定狭心症と非ST上昇型心筋梗塞では死亡率上昇の危険性も指摘されている)。また、逆流性食道炎を疑う場合はプロトンポンプ阻害薬(PPI)による診断的治療を行うことがある。
 
専門医相談のタイミング: >詳細情報 
  1. 以下の疾患では早めに各専門医にコンサルトをする。
  1. 急性冠症候群
  1. 大動脈解離
  1. 肺塞栓
  1. 気胸(特に緊張性気胸の初期治療後)
  1. 特発性食道破裂
  1. 心外膜炎
 
診断へのアプローチ:(身体診察: >詳細情報 ・鑑別疾患: 鑑別疾患 )
  1. 原因疾患は比較的多岐にわたるが、救急外来では常に緊急性の高い疾患から除外していく姿勢を忘れないことが重要である。
  1. 胸痛の診療:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

救急外来で胸痛患者を診療する際に必須の検査。
  1. 急性冠症候群、大動脈解離や気胸の初期評価を行う。
○ 胸痛患者は原則、全例に1)を10分以内にとる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

胸痛の診療
ST上昇型急性心筋梗塞
大動脈解離
肺塞栓
著者校正/監修レビュー済
2017/04/27

編集部編集コンテンツ:
 
関連する医療事故:
  1. 胸痛の鑑別疾患として心筋梗塞を頭に入れる
  1. 事例:患者が胸部の締めつけ感を訴え受診しているが血圧と脈拍非観血的血中酸素飽和度以外は測定せず問診のみに近い状態で狭心症や心筋梗塞を否定し帰宅させた。また、患者自身が「それでも胸が痛いんです」と訴えたが心電図検査や胸部のレントゲン等の検査を実施しなかった。 翌日症状が軽快しないために近医を受診し急性心筋梗塞の診断にて緊急入院となり経皮的冠動脈形成術を施行した。
    (詳細情報ページ:医療事故情報 詳細表示
  1. 胸痛を認める患者は腰痛の既往等があっても致死性疾患の評価を行う:
  1. 事例:腰痛と胸痛の患者に対し、腰痛の方が強い事、坐骨神経痛の既往がある事から整形外科疾患と判断した当直医が整形外科に入院させ、経過観察していたところ、急変して死亡した。(詳細情報ページ:医療事故情報 詳細表示


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