胸痛

著者: 山田直樹 福井大学医学部附属病院 救急部

監修: 志賀隆 国際医療福祉大学 医学部救急医学/国際医療福祉大学病院 救急医療部

著者校正/監修レビュー済:2019/09/20
参考ガイドライン:
急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)

概要・推奨  

  1. 病歴だけからは急性冠症候群(ACS)を診断することはできないが、いくつかの病歴(右肩への放散、発汗、胸壁の圧痛がない、など)に特に注意することは、ACSの診断および除外におそらく有用である(推奨度2)。
  1. アクティブな胸痛があるときの心電図が正常であったとしても、ACSを決して除外すべきではない(推奨度4)。
  1. 初回心筋酵素が陰性であるからという所見だけで、決してACSを除外すべきではない(推奨度4)。
  1. 肺塞栓症の診断においては、まず臨床所見からリスク評価(Wells criteria or revised Geneva score)を行うことが強く推奨され、低リスクと評価された場合、D-dimerが陰性であれば肺塞栓症を除外できるが、中等度以上のリスクであればD-dimerが陰性でも肺塞栓症を除外できない(推奨度1)。
  1. 肺塞栓が疑われる際には、右室機能障害と心筋障害の評価をするために、心エコー、BNPおよびトロポニンを検査することがおそらく推奨される(推奨度2)。
  1. 肺塞栓の疑いが中等度から高度の場合、確定診断の結果を待つことなく抗凝固療法を開始することが強く推奨される(推奨度1)。
  1. 病歴と身体所見だけで大動脈解離を否定することはできないが、いくつかの病歴と所見(急性発症の胸痛、脈拍欠損、神経脱落所見など)に注意することは、大動脈解離の診断および除外におそらく有用である(推奨度2)。
  1. 大動脈解離の除外診断にあたり、D-dimerを検査することがおそらく推奨される(推奨度2)。
  1. 急性心外膜炎のdispositionの決定には、再発などの予後に関連するいくつかの臨床所見(発熱、亜急性の経過、大量心嚢水、心タンポナーデ、アスピリンやNSAIDsに反応しない)を考慮することがおそらく推奨される(推奨度2)。
  1. 非ST上昇型急性冠症候群の胸痛に対する漫然としたモルヒネ投与はおそらく推奨されない(推奨度3)。
  1. ACSが疑われる胸痛患者の評価法の1つとして冠動脈造影CTを用いてもよい(推奨度2)。
  1. 肺塞…
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版)に基づき、主に急性冠症候群の項目の改訂を行った。


ページ上部に戻る


エルゼビアは医療の最前線にいらっしゃる
すべての医療従事者の皆様に敬意を表します。
人々の健康を守っていただき、ありがとうございます。
Thank you for serving us!