片麻痺 :トップ    
監修: 永山正雄 国際医療福祉大学大学院医学研究科 神経内科学
北川一夫 東京女子医科大学医学部神経内科学

概要

症状のポイント:
  1. 片麻痺とは、一側性にみられる上下肢の運動麻痺のことである。原因となる疾患は緊急対応が必要な疾患が多いため迅速な評価が必要である。
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 片麻痺を主訴とする疾患で緊急の対応が必要な診断として、脳卒中、一過性脳虚血発作、脳炎、多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎、慢性硬膜下出血、脳腫瘍、てんかんがある。脳CT、脳MRI検査が診断に有用であり、速やかに実施する。それぞれの診断、症状に従い治療する。
  1. 特に、脳梗塞では、発症後4.5時間以内の血栓溶解療法(アルテプラーゼrt-PAの経静脈投与)の時間的制約のため、最低CT検査で出血、広範な脳梗塞が否定されれば、血栓溶解療法の適応を考えるのが先決である。またrt-PA無効例、rt-PA適応外症例で、発症8時間以内で脳主幹動脈に閉塞を認める場合は、経皮的血栓回収療法の適応を考慮する。
  1. 典型的な片麻痺が数分以上持続し回復した場合には一過性脳虚血発作が最も考えられる。24時間以内には脳MRI撮像し、脳組織に新規虚血病変が発症していないかどうか検索する必要がある。一過性脳虚血発作は放置すると数日以内に高率に脳卒中を発症するため、速やかな診断確定と治療開始が必要である。
  1. 一過性脳虚血発作(818例) 症状持続時間とDWI陽性率:<図表>
  1. 脳梗塞急性期の頭部CTと翌日のMRI DWI画像:<図表>
  1. 脳卒中の初発症状:<図表>
  1. Branch atheromatous disease: 梗塞病変の拡大:<図表>
  1. TIA:ABCD2スコア別にみた最初の2日間の脳卒中発症リスク:<図表>
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 片麻痺の治療は、各原因疾患に準じて行う。原因疾患にかかわらず重要なこととしては、発症直後からのリハビリテーションによる拘縮予防、理学療法、作業療法などを行うことである。
 
専門医相談のタイミング:&nbs…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

急性期の評価
  1. 片麻痺を発症した患者が脳卒中、特に脳梗塞かどうかを診断するのにMRI拡散強調画像は最も有用な検査である。また器質的な脳疾患では、ほとんど脳MRIで異常信号を呈するため、診断的有用性はきわめて高い。24時間以内には脳MRI撮像し、脳組織に新規虚血病変が発症していないかどうか検索する必要がある。
  1. 脳MRI検査:T1 T2 FLAIR DWI T2*画像 MR血管造影をオーダーする。また多発性硬化症、脳腫瘍、神経免疫疾患等を疑う場合は、ガドリニウム造影を追加することが診断、病勢把握に有用である。
  1. 片麻痺を突然発症した患者では脳出血を鑑別する必要があり、CT検査は出血性疾患の診断に特に有用である。また脳梗塞急性期で血栓溶解療法を適用する際にも、広範な脳梗塞がみられないことをCTで確認しておく必要がある。
  1. 特に、脳梗塞では、発症後4.5時間以内の血栓溶解療法の時間的制約のため、最低CT検査で出血、広範な脳梗塞が否定されれば、血栓溶解療法の適を考えるのが先決である。またrt-PA無効例、rt-PA適応外症例で、発症8時間以内で脳主幹動脈に閉塞を認める場合は、経皮的血栓回収療法の適応を考慮する。
○ 急性期に可能であれば1)(特に拡散強調画像)を行う。1)が難しい場合は2)を行い、24時間以内に1)でフォローする。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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片麻痺原因疾患診断のアルゴリズム
麻痺の局在と病変部位との関連
脳梗塞急性期の頭部CTと翌日のMRI DWI画像
著者校正/監修レビュー済
2017/01/26


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