今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 黒田敏 富山大学脳神経外科

監修: 内山真一郎 国際医療福祉大学臨床医学研究センター

著者校正/監修レビュー済:2024/10/02
参考ガイドライン:
  1. 日本脳卒中学会:脳卒中治療ガイドライン2021[改訂2023]
  1. 黒田敏ほか:もやもや病診断基準―2021年改訂版―.脳卒中の外科 50:1-7, 2022
  1. Fujimura M, et al.; Research Committee on Moyamoya Disease (Spontaneous Occlusion of Circle of Willis) of the Ministry of Health, Labor Welfare, Japan; Guideline Committee 2021 of the Japan Stroke Society. 2021 Japanese Guidelines for the Management of Moyamoya Disease: Guidelines from the Research Committee on Moyamoya Disease and Japan Stroke Society. Neurol Med Chir (Tokyo). 2022 Apr 15;62(4):165-170. PMID: 35197402; PMCID: PMC9093674.
  1. Kuroda S, et al.; Research Committee on Moyamoya Disease (Spontaneous Occlusion of Circle of Willis) of the Ministry of Health, Labor, and Welfare, Japan. Diagnostic Criteria for Moyamoya Disease - 2021 Revised Version. Neurol Med Chir (Tokyo). 2022 Jul 15;62(7):307-312. PMID: 35613882; PMCID: PMC9357455.
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 1)診断基準
  1. 「注:両側性,片側性を問わない.」ことを明記した。
  1. 類もやもや病の合併疾患を整理した。動脈硬化、甲状腺機能亢進症、頭部外傷、その他を除外した。
  1. 診断における脳血管撮影の重要性を従来よりも強調した。
  1. MRI・MRAのみで診断する場合には、heavy T2強調画像を用いて罹患動脈の外径縮小を確認することを必須とした。
  1. 2)治療
  1. 成人発症例に対する血行再建術の推奨度を「推奨する→妥当である」に変更した。
  1. 出血発症例の慢性期における血行再建術の推奨度を「考慮してもよい→妥当である」に変更した。
  1. 3)画像
  1. 新しいものに差し替えた。

概要・推奨   

  1. もやもや病確定診断する方法として、脳血管撮影が推奨される。ほかにMRI・MRAによる診断が行われる(推奨度1)
  1. 家族性もやもや病はもやもや病の約15%と報告されているため、家族歴を確認することが推奨される(推奨度1)
  1. もやもや病の診断時には、類似した疾患である類もやもや病を鑑別することが推奨される(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. もやもや病とは、内頚動脈の終末部、前大脳動脈および中大脳動脈近位部に狭窄、閉塞が生じ、代償的に脳底部に細動脈で形成された異常血管網(もやもや血管)を認める疾患である。
  1. 脳の主幹動脈が閉塞するため脳虚血症状、脳梗塞を生じる。一方脳出血も生じ複雑な病態を呈する。
  1. 発症年齢は1歳未満の乳児から50~60歳代以上まで広範に及んでいる。
  1. 男女比は1:2で女性に多く、年齢分布では6歳前後と40歳代にピークがあり、約15%に家族内発生を認める。
  1. 虚血発作に関して乳幼児では啼泣や発熱時の突然の四肢脱力、学童期では熱いものを食べたときや、鍵盤ハーモニカの練習時の脱力発作、起床時に多い拍動性の頭痛などに留意する。
  1. 出血発作では突然の頭痛、意識障害、片麻痺などが生じ、特に脳室内への出血頻度が高く、意識障害を来す場合もある。
  1. 診断は脳主幹動脈系の把握が重要で脳血管撮影がgold standardであるが、現在はMRAでのスクリーニングが可能である。
  1. 成人例では動脈硬化性病変などにより類似の所見を呈することがある。Heavy T2強調画像は、もやもや病で特異的な罹患動脈外径の縮小を確認する上できわめて有用である。
  1. もやもや病は、指定難病であり、その一部は申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年1月施行 22 もやもや病])
  1. 難病法に基づく医療費助成制度
 
  1. もやもや病罹患が不明で妊娠した症例では脳出血を主とする重篤な周産期脳血管イベントが発生しており、もやもや病合併例の妊娠には留意する必要がある(推奨度1)
  1. もやもや病患者における妊娠、出産に関しては、すでに診断されている妊婦の周産期脳血管イベントの発生率は低く、帝王切開術による管理法では成績は良好であるが、経腟分娩を否定する根拠はない。
  1. 一方、もやもや病罹患が不明で妊娠した症例では脳出血を主とする重篤な周産期脳血管イベントも報告されており、もやもや病合併例の妊娠には留意する必要がある。
  1. 全国産科施設と患者女性へのアンケート調査によるデータ(産科施設からの64人、患者女性338人へのアンケートからの結果)[1]によると、特に後者のデータに関しては脳血管イベントによる死亡や重篤な合併症例が脱落している可能性に留意が必要である。もやもや病既診断例では妊娠継続期の1例(1.7%)の重篤な脳血管イベントのみで分娩時には発生がなく、もやもや病の既知妊婦の分娩・出産はおおむね安全に行われている。
病歴・診察のポイント  
  1. 小児にも脳卒中があるということを念頭に置いて、病歴や症状を確認する。

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文献 

高橋 淳、池田智明、飯原弘二、宮本 享:もやもや病罹患女性の妊娠・分娩に関する全国産科施設および患者女性へのアンケート調査.脳神経外科ジャーナル 2009;18(5):367-375.
Miki Fujimura, Teiji Tominaga, Satoshi Kuroda, Jun C Takahashi, Hidenori Endo, Kuniaki Ogasawara, Susumu Miyamoto, Research Committee on Moyamoya Disease (Spontaneous Occlusion of Circle of Willis) of the Ministry of Health, Labor Welfare, Japan, Guideline Committee 2021 of the Japan Stroke Society
2021 Japanese Guidelines for the Management of Moyamoya Disease: Guidelines from the Research Committee on Moyamoya Disease and Japan Stroke Society.
Neurol Med Chir (Tokyo). 2022 Apr 15;62(4):165-170. doi: 10.2176/jns-nmc.2021-0382. Epub 2022 Feb 22.
Abstract/Text
PMID 35197402
Satoshi Kuroda, Miki Fujimura, Jun Takahashi, Hiroharu Kataoka, Kuniaki Ogasawara, Toru Iwama, Teiji Tominaga, Susumu Miyamoto, Research Committee on Moyamoya Disease (Spontaneous Occlusion of Circle of Willis) of the Ministry of Health, Labor, and Welfare, Japan
Diagnostic Criteria for Moyamoya Disease - 2021 Revised Version.
Neurol Med Chir (Tokyo). 2022 Jul 15;62(7):307-312. doi: 10.2176/jns-nmc.2022-0072. Epub 2022 May 25.
Abstract/Text In this report, we, the Research Committee on Moyamoya Disease (Spontaneous Occlusion of the circle of Willis), describe in detail the changes in the new "Diagnostic Criteria 2021" for moyamoya disease and its scientific basis to make it widely known to the world. The revised criteria cover all aspects of the disease, including a definition of the disease concept, diagnostic imaging, and the concept of quasi-moyamoya disease (moyamoya syndrome).

PMID 35613882
黒田 敏、藤村 幹、髙橋 淳、片岡大治、岩間 亨、冨永悌二、宮本 享:もやもや病診断基準―2021年改訂版―.脳卒中の外科 2022;50:1-7, 2022.
Susumu Miyamoto, Takashi Yoshimoto, Nobuo Hashimoto, Yasushi Okada, Ichiro Tsuji, Teiji Tominaga, Jyoji Nakagawara, Jun C Takahashi, JAM Trial Investigators
Effects of extracranial-intracranial bypass for patients with hemorrhagic moyamoya disease: results of the Japan Adult Moyamoya Trial.
Stroke. 2014 May;45(5):1415-21. doi: 10.1161/STROKEAHA.113.004386. Epub 2014 Mar 25.
Abstract/Text BACKGROUND AND PURPOSE: About one half of those who develop adult-onset moyamoya disease experience intracranial hemorrhage. Despite the extremely high frequency of rebleeding attacks and poor prognosis, measures to prevent rebleeding have not been established. The purpose of this study is to determine whether extracranial-intracranial bypass can reduce incidence of rebleeding and improve patient prognosis.
METHODS: This study was a multicentered, prospective, randomized, controlled trial conducted by 22 institutes in Japan. Adult patients with moyamoya disease who had experienced intracranial hemorrhage within the preceding year were given either conservative care or bilateral extracranial-intracranial direct bypass and were observed for 5 years. Primary and secondary end points were defined as all adverse events and rebleeding attacks, respectively.
RESULTS: Eighty patients were enrolled (surgical, 42; nonsurgical, 38). Adverse events causing significant morbidity were observed in 6 patients in the surgical group (14.3%) and 13 patients in the nonsurgical group (34.2%). Kaplan-Meier survival analysis revealed significant differences between the 2 groups (3.2%/y versus 8.2%/y; P=0.048). The hazard ratio of the surgical group calculated by Cox regression analysis was 0.391 (95% confidence interval, 0.148-1.029). Rebleeding attacks were observed in 5 patients in the surgical group (11.9%) and 12 in the nonsurgical group (31.6%), significantly different in the Kaplan-Meier survival analysis (2.7%/y versus 7.6%/y; P=0.042). The hazard ratio of the surgical group was 0.355 (95% confidence interval, 0.125-1.009).
CONCLUSIONS: Although statistically marginal, Kaplan-Meier analysis revealed the significant difference between surgical and nonsurgical group, suggesting the preventive effect of direct bypass against rebleeding.
CLINICAL TRIAL REGISTRATION URL: http://www.umin.ac.jp/ctr/index.htm. Unique identifier: C000000166.

PMID 24668203
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
黒田敏 : 講演料(第一三共(株))[2024年]
監修:内山真一郎 : 特に申告事項無し[2024年]

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