チック障害 :トップ    
監修: 高橋裕秀 みどり野リハビリテーション病院
野村芳子 野村芳子小児神経学クリニック

概要

疾患のポイント:
  1. チックは素早い常同的な動きで不随意運動の一種である。チックは背景疾患が存在しその一症状として出る場合もまれにあるが、多くの場合、チックが主症状である“チック症”である。
  1. 運動チックと音声チックがあり、それぞれ単純チックと複雑チックに分けられる。
  1. チック症は次の4型に分けられる。
  1. 小児期一過性チック症:
  1. 単純チックが1年以内の経過で出現する場合
  1. 慢性運動チック症:
  1. 運動チックが1年以上の慢性の経過で出現する場合
  1. 慢性音声チック症:
  1. 音声チックが1年以上の慢性の経過をとって出現する場合
  1. トゥレット症候群(Tourette syndrome、TS):
  1. 運動チックおよび音声チックが1年以上の慢性の経過で出現する場合
  1. チック症全体の有病率は不明である。学童における一過性チック症の既往は5~24%とかなり報告により差があるが、高頻度にみられる。
  1. TSは0.1~0.5/1000というデータがあるが、診断されていない症例もかなり多いと予測され、頻度はさらに高いと考えられる。

診断: >詳細情報 
  1. チックの特徴は素早く常同的な、比較的短い運動である。出現部位は顔面、頚部が多いが、体の他の部位にも起こる。音声チックでは咳払い、発声などである。
  1. 異常運動の特徴から、また出現の仕方からその異常運動がチックであることを想起し、チックの種類として運動チックと音声チックを診断する。
 
背景疾患・併発症の評価:
  1. チックはまれに他の中枢神経疾患(急性疾患、変性疾患など)の一症状として出現することがあるため、必要に応じて背景疾患の評価を行う。
  1. チックの併発症として注意欠陥多動性障害、強迫神経症が知られているため評価を行う。

重症度予後: >詳細情報 
  1. 多くの場合、幼児期から小児期(好初年齢5~6歳)に瞬きなどの単純チックが一過性に出現、またしばらくして他のチックが出現するなどの経過を確認する。
  1. 慢性運動チック症・慢性音声チック症は、持続することが多い。
  1. TSの程度は軽症のものから重症のものまであり、予後も多様である。
 
治療:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

治療例
  1. 生活リズムを整え、日中の活動を高め、よく歩くことなどを指導する。
  1. 上記を行ったうえで重症度により薬剤療法を検討する。
  1. 一般的にチックの治療としてハロペリドール(セレネース)が使用されることが多いが、病態に鑑み、特に10歳以下の患者では禁忌といえる。
  1. 筆者らは病態を考え少量レボドパ(ドパストン)単剤(0.5mg/体重kg/日)から開始する。年長児にて近年アリピプラゾール(エビリファイ)が副作用なく中等度の改善をもたらすことが経験されてきている。生活指導後も改善せず、重度な場合は専門医へ紹介することが望ましい。
○ 10歳以上では2)を、10歳未満では3)を専門医のもとで用いることがある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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診療の概略
著者校正/監修レビュー済
2017/09/29