今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 野村芳子 野村芳子小児神経学クリニック

監修: 高橋裕秀 昭和大学藤が丘病院 脳神経内科

著者校正/監修レビュー済:2022/03/16
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った。

概要・推奨   

疾患のポイント:
  1. チックは素早い常同的な動きで不随意運動の一種である。チックは背景疾患が存在しその一症状として出る場合もまれにあるが、多くの場合、チックが主症状である“チック症”である。
  1. 運動チックと音声チックがあり、それぞれ単純チックと複雑チックに分けられる。
  1. チック症は次の4型に分けられる。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. チックは素早い常同的な動きで不随意運動の一種である。
  1. 運動チックと音声チックがあり、それぞれ単純チックと複雑チックに分けられる。
  1. チックは他の疾患の一症状として出る場合もあるが、多くの場合、チックが主症状である“チック症”である。
  1. チック症は次の4型に分けられる。
  1. 小児期一過性チック症:単純チックが1年以内の経過で出現する場合
  1. 慢性運動チック症:運動チックが1年以上の慢性の経過で出現する場合
  1. 慢性音声チック症:音声チックが1年以上の慢性の経過をとって出現する場合
  1. トゥレット症候群(Tourette syndrome、TS):運動チックおよび音声チックが1年以上の慢性の経過で出現する場合
  1. チック症全体の有病率は不明である。学童における一過性チック症の既往は5~24%と、かなり報告により差があるが、高頻度にみられる。TSは0.1~0.5/1000というデータがあるが、診断されていない症例もかなり多いと予測され、頻度はさらに高いと考えられる。人種差はないとされている。
  1. TSの病態の解析は臨床的特徴、諸検査の解析よりなされてきており、本症発現に関する責任神経、神経系の解明、それらの変調の特性を明らかにすることが必要である。
  1. 臨床的特徴から注目すべきことはチック運動そのものの特性、発症年齢、年齢依存性の症状の変遷、経過、予後である。これら臨床的特徴はチック発現に関し、大脳基底核と関連の系、すなわち辺縁系、大脳皮質の関与を示唆する。また、年齢依存性の経過を理解するためには、その年齢に発達の臨界齢を有する神経系の関与が注目される。われわれはこの点につき黒質線条体ドパミン神経、特に線条体におけるチロシン水酸化酵素活性の経年齢変化がチックの臨床経過と関連し得ることに注目している。そして単純チックは大脳基底核からの下行系、年長になり出現してくる複雑チックは上行系の関与が考えられる。
問診・診察のポイント  
  1. 家族歴にてチック症の有無を聴取する。チック症は家族性に出現することが知られている。同一家系内に単純一過性チック症、慢性運動・音声チック症、TSがみられることが多い。また、後述する併発症をみることも多い。片頭痛、うつ状態、パニック障害をみることもある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
野村芳子 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:高橋裕秀 : 特に申告事項無し[2024年]

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チック障害

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