脾腫 :トップ    
監修: 徳田安春 一般社団法人 群星沖縄臨床研修センター
萩原將太郎 東京女子医科大学病院 血液内科

概要

疾患のポイント:
  1. 脾腫とは脾臓が正常な範囲を超えて拡大することである。肝硬変や右心不全などによる門脈圧亢進、感染症、腫瘍の転移や血液疾患などが主な原因となる。
  1. 脾臓の大きさは年齢、体格により異なる。一般に50~250gであり、年齢とともに質量は減少する。横隔膜と肋骨に囲まれる骨格内にあり、通常は触知しないが、大学生を対象とした調査で3%の若年健常者で無症候性の脾腫を認めた報告がある。
  1. 脾臓は巨大な網内系臓器であり、老化・奇形赤血球の除去、抗体産生、細菌や抗体付着血球の除去を司る。
  1. 脾臓の触診は、双手法で行うとよい。一方の手は、背部から脾臓を前面に持ち上げるように支え、もう一方の手はカールさせるように指を丸く曲げて肋骨弓下の腹部に置き、吸気に合わせて脾臓の下縁を触知する。打診はTraube三角の打診、Nixon法、Castell法などにより行う。(詳細: >詳細情報 )
 
緊急対応: >詳細情報 
  1. 脾腫を来す疾患で、緊急の対応が必要な診断は、急性白血病、敗血症、細菌性心内膜炎(IE)、うっ血性心不全などがある。
  1. 診断、症状に従い治療を行う。
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 痛みに対してオピオイドが用いられたり、腫瘍の浸潤に対しては姑息的に放射線療法が行われたりもするが、基本的には診断に基づいた加療を優先する。
 
診断へのアプローチ:(診察 >詳細情報 ・鑑別疾患 鑑別疾患 )
  1. 脾腫の原因は、大きく4つある。脾機能の亢進、異常な血流の増加、異常蛋白や脂質などの蓄積、良性・悪性細胞の浸潤である。
  1. 発熱の有無、貧血症状、皮膚関節症状、息切れ、浮腫など心不全症状、渡航歴などの問診、リンパ節腫大、肝腫大の有無など全身の診察を行う。
  1. 腹部エコーは脾腫の評価に有用である。さまざまなsplenic indexが開発され、脾臓の大きさを記録し評価するために用いられている。(古賀らの測定方法の説明:正常値上限を20㎝2  エビデンス )

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

脾腫の際の検査例
  1. 脾臓の大きさ、腫瘍の有無、リンパ節腫脹を評価するためにCT、腹部エコーを行う。感染症が疑われる場合には、ウイルス抗体検査、血液培養を行う。血液疾患の鑑別のために血液検査、骨髄穿刺を行う。
○ 鑑別診断に基づき下記を適宜行う。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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脾腫の鑑別のアルゴリズム
脾腫のCT画像
脾腫のCT画像
著者校正/監修レビュー済
2017/01/26


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