血尿 :トップ    
監修: 山中克郎 諏訪中央病院
前川道隆 藤田保健衛生大学 坂文種報徳會 腎臓内科

概要

症状のポイント: >詳細情報 
  1. 血尿とは、尿に赤血球が混入した状態である。
  1. 尿試験紙法による尿潜血反応がスクリーニングに用いられるが、尿中ミオグロビンやヘモグロビンによる擬陽性があるため、尿沈渣で尿中赤血球の確認が必要である。およそ5個/HPF(400倍強拡大1視野)以上を血尿とする。
  1. 肉眼で色調変化を認めるものを肉眼的血尿といい、尿1Lに血液1mL以上が混入すると肉眼的血尿になる。大部分が泌尿器疾患に由来する。
  1. 顕微鏡的血尿でも、高齢者や喫煙者など尿路癌のリスクを有する場合には、尿路悪性腫瘍の検索が重要である。
 
緊急時の対応: >詳細情報 
  1. 次の場合には早期に腎生検や腎代替療法の適応になることがあるため、腎臓内科へコンサルトする。
  1. 過去に指摘されたことがない腎機能低下を認める場合
  1. 日~週単位で進行する腎機能低下を認める場合
  1. 重篤な高血圧を認めたり、浮腫や胸水など体液過剰を伴う場合
  1. 次の場合には輸血や外科的処置が必要になることがあるため、泌尿器科へコンサルトする。
  1. 肉眼的血尿が持続して貧血が進行する場合
  1. 肉眼的な血尿に引き続いて尿閉となった場合
  1. 片腎(機能的片腎も含む)または両側に生じた尿管結石
  1. 結石による閉塞機転を有する尿路感染
 
症状治療・診断的治療: >詳細情報 
  1. 中高年者の肉眼的血尿では悪性腫瘍の頻度が高いため、泌尿器科での原因検索が最優先される。
  1. 発熱や尿路刺激症状(排尿時痛、頻尿など)、膿尿、細菌尿を伴う場合には尿路感染が疑われるため、抗菌薬投与を考慮する。
  1. 尿路結石で疼痛を伴う場合には鎮痛薬を処方し、飲水を励行して排石を促す。
 
入院の決定: >詳細情報 
  1. 肉眼的血尿が高度で貧血が進行する例、尿路閉塞の危険が大きいまたは尿閉となる場合には、輸血や尿道カテーテル留置が必要になることが多く、入院適応となる。
  1. 急激な腎機能低下を伴って血尿・蛋白尿が陽性となる場合には、急性糸球体腎炎、急速進行性糸球体腎炎が疑われ、入院適応となる。
  1. 緩徐な経過でも、血尿に蛋白尿や細胞円…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

顕微鏡血尿で行う検査例
  1. 一般的に、血尿と診断されるのは試験紙法で潜血反応が1+以上を呈したとき。ミオグロビン尿、ヘモグロビン尿などで擬陽性となることがあり、尿沈渣での確認が必要であり、5個/HPF(強拡大一視野)以上の赤血球尿を認める場合に血尿と診断する。
  1. 検査はアルゴリズムに沿って行う。
  1. 無症候性顕微鏡的血尿の診断アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 単独血尿(isolated hematuria)の鑑別疾患:<図表>
  1. 尿沈渣で変形赤血球の割合が高い場合、赤血球円柱などの細胞性円柱、蛋白尿を伴う場合、腎機能が低下している場合は糸球体性疾患による可能性が高い。尿蛋白が陽性であれば腎生検の適応となることがあるため、蓄尿またはスポット尿で尿蛋白の定量を行い、腎臓内科へコンサルトする。蛋白尿の初期評価としては、スポット尿における尿蛋白/尿クレアチニン比を用いることが簡便である。
  1. 尿路系悪性腫瘍の評価のため、尿細胞診、腹部エコー検査は全例に行う。
  1. 40歳以上で、膀胱癌危険因子(高齢、喫煙、化学物質への曝露、骨盤部への放射線照射、染料・皮革・ゴム工業へ従事)を有する患者で血尿の原因を特定できない場合は、膀胱鏡の適応になることがある。泌尿器科へコンサルトする。 エビデンス 
○ 顕微鏡血尿の場合、鑑別疾患に基づき下記の検査を追加する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

無症候性顕微鏡的血尿の診断アルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2018/07/23

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った。
  1. 疫学情報、エビデンスを追加した。


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