夜尿症 :トップ    
監修: 力石辰也 聖マリアンナ医科大学
河内明宏1) 上仁数義2) 内藤泰行3) 1)2)滋賀医科大学 泌尿器科学講座 3)京都府立医科大学 泌尿器科

概要

疾患のポイント:
  1. 排尿と睡眠の機構が大人型になる5歳以降になっても持続する夜尿を病的と考え、夜尿症と呼ぶ。
  1. 月1回以上の夜尿がみられる頻度は5~9歳では約11%、10~14歳では約4%程度と報告されている。毎年10~15%が自然に治癒すると報告されているが、一方で外来受診患者の3%程度が大人まで持ち越すとも報告されている。また治療を行えば自然治癒の約3~4倍の治癒率があると報告されている。
  1. 夜尿症全体の約15~40%が昼間の下部尿路症状を伴い、過活動膀胱などの基礎疾患が存在する可能性がある。
  1. 夜尿症は、5歳以上で昼間の症状や基礎疾患がなく生来続く夜尿を認める一次性夜尿症と、6カ月以上夜尿のない期間があったのち再発した二次性夜尿症に分類される。
  1. 遺伝も発症に大きくかかわっており、両親のどちらかが夜尿症の既往があれば、既往のない場合に比べて5~7倍夜尿症になりやすく、両親ともに既往があれば11倍なりやすい、という報告もある。
 
診断:(ICCS[国際小児尿禁制学会]提唱の夜尿症の推奨治療戦略:アルゴリズム
  1. 下記のように、基礎疾患を除外することにより、夜尿症の診断となる(夜尿の基礎疾患:<図表>)。
  1. 昼間に尿失禁、頻尿、尿意切迫感などの症状を伴っているか、膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染の既往があるかなどを聞く。これらがある場合、泌尿器科的疾患を含めて精査する必要がある。
  1. 多飲、多尿がある場合は尿崩症、糖尿病や神経性多飲症などの可能性がある。また、睡眠状態で高度のいびきを認める場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性がある。
  1. 頻度の多い夜尿を来す疾患: >詳細情報 
  1. 夜尿症(一次性夜尿症)、遺尿症、過活動膀胱
  1. 重篤な夜尿を来す疾患: >詳細情報 
  1. 下部尿路通過障害(後部尿道弁や尿道リング状狭窄など)、睡眠時無呼吸症候群
  1. 治療可能なまれな夜尿を来す疾患: >詳細情報 
  1. 尿管異所開口、尿崩症
  1. 夜尿日記1:…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時に行う検査例
  1. 基礎疾患を除外し、夜尿や排尿の状態を観察するために行う。
○ 必要な夜尿日記、排尿日誌はインターネットでダウンロードできる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

ICCS(国際小児尿禁制学会)提唱の夜尿症の推奨治療戦略
夜尿の基礎疾患
著者校正/監修レビュー済
2017/03/31