今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 久保健児 日本赤十字社和歌山医療センター 感染症内科部・救急科部

監修: 山本舜悟 大阪大学大学院医学系研究科 変革的感染制御システム開発学

著者校正済:2025/06/10
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 米国感染症学会:Clinical practice guidelines for the diagnosis and management of intravascular catheter-related infection: 2009 update by the Infectious Diseases Society of America.
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 血液培養の陽性化までの時間差(DTP、DTTP)について、メタアナリシスおよび観察研究によるエビデンスを追加した。
  1. 2023年発表のDhaliwalらのメタアナリシス(23の研究、2,526件対象)では、DTP2時間差は、感度81.3%、特異度91.8%、LR+(陽性尤度比) 9.89、LR-(陰性尤度比) 0.20であった。ただし、黄色ブドウ球菌(感度は低いが、特異度は高い)、カンジダ(感度は高いが、特異度は低い)という結果であった(Dhaliwal M, et al. Clin Infect Dis. 2023 Aug 14;77(3):428-437.)。菌種別による研究数が十分ではないため、さらなる検討を要する。
  1. また、2020年発表のOrihuela-Martínらの単施設研究では、15年間の512件の血流感染症のエピソード(うちCRBSI 302件)において、DTPの識別力は、AmpC産生腸内細菌科は高く(AUC 0.944)、緑膿菌は中等度(AUC 0.841)、それ以外の菌種では低かった。DTP ≥2 時間で感度が低い菌種もあった(コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 60%、AmpC を産生しない腸内細菌科 42%、腸球菌 40%、黄色ブドウ球菌 34%)。DTP ≥1 時間のカットオフとすると、AmpC 産生腸内細菌の感度が向上した(90%)(Orihuela-Martín J, et al. Clin Microbiol Infect. 2020 Mar;26(3):383.e1-383.e7.)。
  1. CRBSIを疑っておらず、事前確率が低い状況では、むやみにカテーテル採血によるDTPを適用しないほうがよいとされる。これは、採取時の汚染菌やカテーテル内の定着菌が検出される確率が高まり、CRBSIの過剰診断から不必要な処置につながるためである(Mermel LA, et al. Open Forum Infect Dis. 2024 May 2;11(5):ofae248.)。
  1. 2024年に日本でもミッドラインカテーテルが発売されたことから、関連したエビデンスを追加した。
  1. ミッドラインカテーテルはPICCよりも遅れて開発され、日本では2024年に発売された。末梢静脈路の確保が困難な場合や、末梢静脈路の問題点(皮下漏れ、血管痛、頻回穿刺など)を低減したい場合に有用で、7日以上の比較的長期間の抗菌薬静注治療に考慮される。
  1. 2022年Swaminathanらの前向きコホート研究では、静脈路確保が困難または30日以内の抗菌薬治療を受けた入院患者を対象に、5,105人のミッドラインカテーテル留置患者と5,758人のPICC留置患者を比較し、留置期間は比較的短期間だった(ミッドラインカテーテル:6(3-12)日間、PICC:14(7-27)日間)。ロジットモデルで留置期間等を調整した結果、PICCの方が主要な合併症が多く(1.99; 95% CI, 1.61-2.47)、CRBSIおよび血栓症の発生はミッドラインカテーテルの方が少なかった(CRBSI:0.4%vs 1.6%; P <.001、血栓症:2.1%vs 7.0%; P <.001)。ただし、深部静脈血栓症の発生はPICCの方が少なかった(ハザード比0.53; 95%CI 0.38-0.74 )(Swaminathan L, et al. JAMA Intern Med. 2022 Jan 1;182(1):50-58.)。
  1. 2025年のPajeらによるミシガン州69病院での後ろ向きコホート研究では、外来静注抗菌薬治療の適応がある入院患者において、ミッドラインカテーテルとPICCとを比較した。対象はミッドラインカテーテル留置患者1,999人とPICC留置患者825人で、留置期間はミッドラインカテーテル:12 (8-17) 日間、PICC:19 (12-27)日間であった。主要な合併症は、ミッドラインカテーテルは16人(0.8%)、PICCは28人(3.4%)であった(P < .001 )(Paje D, et al. JAMA Intern Med. 2025 Jan 1;185(1):83-91.)。

概要・推奨   

診断
  1. カテーテル関連血流感染(catheter-related blood stream infection:CRBSI)を疑っていない状況でのルーチンの血管内カテーテル先端培養は、行わないよう推奨される(推奨度3、O)
  1. 中心静脈カテーテル留置患者において、刺入部の所見が陰性であることを根拠に、CRBSIを否定しないよう推奨される(推奨度4、O)
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病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. カテーテル関連血流感染(catheter-related blood stream infection:CRBSI)とは、血管内カテーテルに関連して発生した血流感染を指す。血流感染とは、菌血症または真菌血症のことである。
  1. 代表的な原因微生物は、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(coagulase negative Staphylococcus:CNS)、黄色ブドウ球菌(S. aureus:MRSA)、カンジダ(Candida)、腸球菌(Enterococcus)、グラム陰性桿菌(大腸菌[E.coli]、エンテロバクター[Enterobacter]、クレブシエラ[Klebsiella] などの腸内細菌目、および緑膿菌[P. aeruginosa]など )である。
 
血流感染症とその合併症:
  1. CRBSIは、血管内カテーテルに関連して発生した血流感染(菌血症または真菌血症)であり、以下に示すような合併症を呈し得る。
 
CRBSIに関連した合併症(種類と特徴)

参考文献:
  1. Pearson ML. Guideline for prevention of intravascular device-related infections. Hospital Infection Control Practices Advisory Committee. Infect Control Hosp Epidemiol 1996; 17:438-73.
  1. Mermel LA, Allon M, Bouza E, et al. Clinical practice guidelines for the diagnosis and management of intravascular catheter-related infection: 2009 update by the Infectious Diseases Society of America. Clin Infect Dis 2009; 49:1.

出典

著者提供
 
診断基準  
  1. 血管内カテーテルに関連した感染症は、血流感染以外にも種類があり、2009年のIDSAガイドラインの診断基準が参考になる。その中でCRBSIは、「①末梢血からの血液培養結果が1セット以上陽性で、②感染の臨床症状(発熱、悪寒、低血圧など)があり、③血管内にカテーテル等のデバイスが留置中で、④その血管内デバイス以外に原因となる感染巣が明らかではない、菌血症または真菌血症。」と定義されている。
 
 

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
久保健児 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:山本舜悟 : 特に申告事項無し[2025年]

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カテーテル関連血流感染(CRBSI)

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