今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 綾部琢哉 帝京大学医学部産婦人科学講座

監修: 小林裕明 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科生殖病態生理学

著者校正/監修レビュー済:2025/02/26
参考ガイドライン:
  1. 日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023』の発行に伴いレビューを行った(ガイドラインに基づく変更はなし)。
  1. 新しく登場した薬剤(レルミナ錠、ジェミーナ配合錠)を追加した。
  1. フォン・ヴィレブランド (von Willebrand) 病の検査ができる施設が増えたので、血液疾患の項に「その他の遺伝性出血性素因」として追記した。

概要・推奨   

  1. 器質的疾患のない過多月経にはエストロゲン・プロゲスチン配合薬を投与する推奨度2J
  1. 器質的疾患のない過多月経にはレボノルゲストレル放出子宮内システムが有効である(推奨度2J
  1. 器質的疾患のない過多月経には線溶活性亢進を抑制する薬剤が有効である(推奨度2J
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 子宮内膜機能層は卵胞が産生するエストロゲンにより増殖し、黄体が産生するプロゲステロンにより分化して分泌期になる。受精卵が着床しヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を分泌すると、このhCGが黄体に作用してその寿命を延長させ、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が維持され、子宮内膜は剝離しないで保たれる。
  1. 受精卵の着床がないと黄体はおよそ2週間で寿命を終え退縮する。その結果エストロゲンとプロゲステロンの分泌も消退し、増殖、分化した子宮内膜は剝離、排出される。このときの出血が月経である。
  1. 内膜剝離面の断裂した血管は子宮筋層の収縮により圧迫止血される。この止血効果は子宮内腔が凸面だと有効に作用しにくい。
  1. 子宮内腔が広い、子宮内腔が凸面に変形している、などの場合、剝離される子宮内膜量も増え、過多月経を来し得る(器質的過多月経)。
  1. 子宮内膜が厚い、生殖系内分泌機能のめりはりがない、血液が凝固しにくい、などの場合にも過多月経を来し得る(機能的過多月経)。
 
過多月経の原因

過多月経を来し得る病態を、その機序から整理して示した。

出典

著者提供
 
  1. 過多月経は本人の煩わしさのほかに、背景疾患がある場合(器質的過多月経)にはその対応も考慮する。
  1. 過多月経により鉄欠乏性貧血を来す場合には、本人は煩わしくなくても、貧血の治療は必要である。
  1. 鉄欠乏性貧血があったら、過多月経以外の原因を鑑別する必要がある。ほかに原因のない鉄欠乏性貧血では患者に自覚がなくても過多月経を考慮する。
  1. 患者が過多月経といっても、医学的には病的な不正出血が多量にみられている場合がある。
問診・診察のポイント  
  1. 月経血量の正常値は1回の月経あたり20140mlとされている。日本産科婦人科学会の定義では140ml以上を過多月経と呼ぶが、月経量を実際に測定して過多月経と診断することは困難である。
  1. 過多月経を症状により判断するうえで有用な問診内容として、パッド使用量や交換の頻度、凝血塊排出の有無、を尋ねる。ただし、凝血塊の排出とパッドの交換頻度なども必ずしも出血量を反映しない。臨床的に利用可能な客観的指標は鉄欠乏性貧血の有無である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
綾部琢哉 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:小林裕明 : 講演料(MSD(株),アストラゼネカ(株),サノフィ(株)),研究費・助成金など(日本ベクトン・ディッキンソン(株)),奨学(奨励)寄付など(中外製薬(株),(株)新日本科学)[2025年]

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