今日の臨床サポート

舟状骨骨折

著者: 池田和夫 金沢医療センター整形外科

監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター

著者校正/監修レビュー済:2021/03/31
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 舟状骨骨折は見逃しやすいので、診断に注意を要する。まず骨折を疑い、局所圧痛を確認することが重要である。
  1. 各種画像診断結果を用いて、治療のアルゴリズムに進む。
  1. スクリュー固定器具が進歩したので、以前よりは手術適応が拡大し早期社会復帰が可能である。
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となり
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
池田和夫 : 特に申告事項無し[2021年]
監修:落合直之 : 特に申告事項無し[2021年]

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った。

病態・疫学・診察

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 舟状骨は手根骨のひとつで、解剖学的嗅ぎタバコ入れの部位に存在する。
  1. 舟状骨骨折とは手関節にある8つの手根骨のなかの舟状骨が転倒などで手を背屈位でついた結果骨折した状態で、手関節部の痛みと腫脹という症状を呈する。
  1. 多くの患者は「骨折」しているとは思わず、「捻挫」で済ませてしまうほど、舟状骨骨折の痛みは鈍いことを念頭におくこと。
 
解剖学的嗅ぎタバコ入れ(snuff box)

表面解剖から舟状骨の位置がわかる。
EPL(長母指伸筋腱)とEPB(短母指伸筋腱)の間にscaphoid(舟状骨)が存在する。

出典

 
舟状骨

S:舟状骨 手関節の中で母指の付け根にあたる骨が舟状骨。
ちなみに、TZ:大菱形骨、Td:小菱形骨、C:有頭骨、L:月状骨、H:有鈎骨、Tq:三角骨、P:種子骨

出典

img1:  DeLee: DeLee and Drez's Orthopaedic Sports Medicine
 
 
 
  1. Herbert分類[1]が広く用いられている。
 
Herbert 分類(Herbert and Fisher, 1984)

1996年のFilanとHerbert分類では、Type Cは、なしになっている。

出典

 
  1. スポーツで多く発生し、サッカーやラグビーで転倒して手を背屈位でつくと舟状骨が骨折する。
  1. 男性が80%で、平均年齢は25歳と若い。手の骨折の11%を占め、手根骨の骨折の60%を占める。
  1. 舟状骨への血行は末梢から中枢に向かうので、骨折すると中枢骨片の血行は不良になる。
 
舟状骨への血行

舟状骨への血行は、末梢から入り(a、b)、中枢へ向かう。
したがって、骨折すると、中枢は乏血に陥りやすい。

出典

img1:  Browner: Skeletal Trauma 
 
 
 
  1. 舟状骨骨折は血行不良の場合が多く、適切な治療を行わないと偽関節(骨癒合しない状態)になることが多い。
  1. 舟状骨は近位手根列と遠位手根列の動きの制御を司っている。
  1. 舟状骨が偽関節になると、月状骨が背屈転位して、いわゆるDISI(Dorsal Intercalated Segmental Instability)変形を生じることがある。
  1. 舟状骨が偽関節になると、徐々に手関節の変形性関節症が進行していく。いわゆるScaphoid nonunion advanced collapse(SNAC)wrist。
 
scaphoid nonunion advanced collapse(SNAC)wrist の Stage

a:Stage I:橈骨茎状突起間の関節症
b:Stage II:橈骨・舟状骨間の関節症
c:Stage III:舟状骨、月状骨と有頭骨間の関節症
d:Stage IV:橈骨・月状骨間の関節症
Stageが順に進んでいく。

出典

問診・診察のポイント  
問診:
  1. 受傷機転を確認する。

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文献 

著者: S L Filan, T J Herbert
雑誌名: J Bone Joint Surg Br. 1996 Jul;78(4):519-29.
Abstract/Text We reviewed the records of 431 patients who had open reduction and internal fixation of the scaphoid performed by one surgeon (TJH) over a 13-year period. The Herbert bone screw provided adequate internal fixation without the use of plaster immobilisation, promoting a rapid functional recovery. On average, patients returned to work 4.7 weeks after surgery and wrist function was significantly improved, even when the fracture failed to unite. Healing rates for acute fractures were better than those reported for plaster immobilisation and were independent of fracture location. In the case of established nonunions, healing depended on the stage and location of the fracture, but the progress of arthritis was halted and carpal collapse significantly improved. Internal fixation of the scaphoid using the Herbert bone screw, although technically demanding, has few complications and appears to offer significant advantages over other methods of treatment.

PMID 8682813  J Bone Joint Surg Br. 1996 Jul;78(4):519-29.
著者: Kazuo Ikeda, Naoki Osamura, Katsuro Tomita
雑誌名: J Trauma. 2008 Dec;65(6):1453-8. doi: 10.1097/TA.0b013e31805824f3.
Abstract/Text BACKGROUND: The most controversial problem in treating scaphoid fractures is whether bone grafts are necessary for cystic-type fractures.
METHODS: We treated 105 scaphoid fractures using Herbert screws (1988-1997), AO 3.0 mm cannulated screws (1998-2002), and Acutrak screws (2003-2006). The patients ranged in age from 14 years to 67 years (average, 26 years). Our classifications were based on the radiographic findings: linear type (51 cases); cystic type (24 cases); and sclerotic or displaced type (30 cases). Linear and cystic types did not have any displacement more than 2 mm. If the fracture line had a sclerotic zone thicker than 1 mm, it was classified as sclerotic or displaced. The length of time before surgery did not affect the classification. Osteosynthesis was performed--without bone graft in all linear cases, with a bone graft in 7 and without a bone graft in 17 cases in cystic type, and with all bone graft in sclerotic or displaced type.
RESULTS: Bone union was achieved in all cases in linear type. There were one failure (AO) in 7 cases with bone graft and 3 failures (1 Herbert and 2 AO) in 17 cases without bone graft in cystic type. All 10 cases achieved bone union without bone graft in cystic type using Acutrak screw. There were two failure cases (2 AO) in sclerotic or displaced type.
CONCLUSIONS: Screw fixation without bone graft using Acutrak screws was a reliable strategy for the treatment of cystic-type scaphoid fractures.

PMID 19077641  J Trauma. 2008 Dec;65(6):1453-8. doi: 10.1097/TA.0b013e・・・

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