今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 黒崎知道 くろさきこどもクリニック

監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター

著者校正/監修レビュー済:2023/02/22
参考ガイドライン:
  1. 日本小児呼吸器学会日本小児感染症学会編:小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022
  1. Pediatric Infectious Diseases Society and the Infectious Diseases Society of America. The management of community-acquired pneumonia in infants and children older than 3 months of age: clinical practice guidelines by the Pediatric Infectious Diseases Society and the Infectious Diseases Society of America. 2011
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 肺炎は小児の日常診療上よく遭遇する疾患ではあるが、その罹患率などに関するわが国における検討は限られた報告しかない。わが国(千葉市周辺)の疫学では、小児用肺炎球菌ワクチン導入後の肺炎罹患率の減少がみられ、原因菌分離率では肺炎球菌の低下および相対的にインフルエンザ菌の増加がみられている。
  1. 重症度分類では、これまでSpO2 95%以上を軽症(原則外来管理)とされていたが、小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022ではSpO2測定誤差を考慮してSpO2 93%以上を軽症とし、酸素投与下でもSpO2 93%未満を重症と改定された。
  1. 細菌性肺炎が疑われる小児市中肺炎の第一選択役はアモキシシリン(AMPC)内服、アンピシリン(ABPC)静注でよい。外来症例でセフジトレンピボキシル(CDTR-PI),セフテラムピボキシル(CFTM-PI)、セフカペンピボキシル(CFPN-PI)はペニシリンアレルギー等、ペニシリンの使用が望ましくない場合に投与を考慮する。これは耐性菌(AMR)対策に繋がる。
  1. 重症肺炎、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の症例の治療として、小児COVID-19肺炎での呼吸管理フローチャートを追記した。
  1. 家族歴等から免疫不全患者が考えられる場合の評価方法として、小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022の“免疫不全患者の評価方法”を紹介した(図表「免疫不全症の肺炎:診断と初期治療の進め方」)。

概要・推奨   

  1. 肺炎は小児の日常診療上よく遭遇する疾患ではあるが、その罹患率などに関するわが国における検討は限られた報告しかない(O)。
  1. 小児肺炎において血清CRP値は、細菌性とウイルス性を鑑別する確固たる指標ではないが、大まかな指標にはなり得る(推奨度2)
  1. 胸部X線像で細菌性、ウイルス性、マイコプラズマ性かの鑑別は無理である(O)。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
黒崎知道 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:五十嵐隆 : 特に申告事項無し[2024年]

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