今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 田上哲也 国立病院機構京都医療センター 内分泌・代謝内科

監修: 平田結喜緒 公益財団法人 兵庫県予防医学協会 健康ライフプラザ

著者校正済:2024/07/24
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. BMJ: Thyroid hormones treatment for subclinical hypothyroidism – a clinical practice guideline (2019)
  1. 米国内分泌学会(ES): Management of thyroid dysfunction during pregnancy and postpartum: an Endocrine Society clinical practice guideline(2012)
  1. 米国甲状腺学会(ATA):
  1. Guidelines for the diagnosis and management of thyroid disease during pregnancy and the postpartum (2017)
  1. Guidelines for the treatment of hypothyroidism: prepared by the ATA task force on thyroid hormone replacement (2014)
  1. 米国甲状腺学会(ATA)/米国臨床内分泌学会(AACE):Clinical practice guidelines for hypothyroidism in adults: cosponsored by the AACE and the ATA(2012)
  1. 欧州甲状腺学会(ETA):
  1. Guidelines on the management of thyroid dysfunction following immune reconstitution therapy (2019)
  1. Thyroid Disorders prior to and during Assisted Reproduction(2021)
  1. Guidelines for the Management of Iodine-Based Contrast Media-Induced Thyroid Dysfunction(2021)
  1. the Management of Thyroid Dysfunction following Immune Reconstitution Therapy(2019)
  1. Guidelines for the management of amiodarone-associated thyroid dysfunction (2018)
  1. Guidelines on the diagnosis and management of central hypothyroidism (2018)
  1. Guidelines for the management of subclinical hypothyroidism in pregnancy and in children (2014)
  1. Guideline for the management of subclinical hypothyroidism (2013)
  1. ATA,BTA,ETA: Evidence-Based Use of Levothyroxine/Liothyronine Combinations in Treating Hypothyroidism: A Consensus Document(2021)
  1. 欧州小児内分泌学会(ESPE): Consensus guidelines on screening, diagnosis, and management of congenital hypothyroidism (2014)
  1. 日本小児内分泌学会(JSPE): Guidelines for mass screening of congenital hypothyroidism, revision (2014)
  1. 日本甲状腺学会:甲状腺ホルモン不応症診療の手引き(2023)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 前回改訂から新たなガイドラインの発刊はなかった。定期レビューを行い、以下について加筆した。
  1. 甲状腺機能障害と2型糖尿病はしばしば併発する。甲状腺機能障害のプールされた有病率は一般集団よりも比較的高いことが示されたため、2型糖尿病患者に対して甲状腺機能障害の定期的なスクリーニングを行うべきである(Hadgu R, et al. Syst Rev. 2024 Apr 30;13(1):119.)。
  1. 潜在性甲状腺機能低下症(SCH)の成人患者において、甲状腺ホルモン補充により、観察期間中に拡張機能のパラメータを部分的に改善することはあるが、完全に改善することはない(Liu G, et al. Front Endocrinol (Lausanne). 2023 Sep 25;14:1263861.)。

概要・推奨   

  1. 甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの産生・分泌が低下し、耐寒性低下・発汗減少・便秘・浮腫・体重増加・傾眠傾向などの症状を来す疾患である。
  1. 本症の病態・予後・治療は、原発性か中枢性かによって大きく異なり、妊娠/出産との関係も重要である。最も多い原因は橋本病(慢性甲状腺炎)による原発性のものであり、その経過は多様である。また薬剤性機能障害が増加している。
  1. 診断には遊離サイロキシン(FT4)・甲状腺刺激ホルモン(TSH)測定が必須であるが、測定に至るまでに特徴的症状・徴候や一般検査異常から本症を疑うことが重要である(図)。
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  1. 顕性甲状腺機能低下症の治療において、T3併用療法や甲状腺末の使用がLT4単独療法より優れるというエビデンスはなく、現時点では、LT4とリオチロニン(LT3)の併用療法は勧められない(推奨度3)
  1. LT4+LT3併用療法は、先天性顕性甲状腺機能低下症と甲状腺ホルモン不応症のTSHとT4の正常化を促進する(推奨度2)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
田上哲也 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:平田結喜緒 : 特に申告事項無し[2024年]

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