今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 松本光希 くまもと森都総合病院 眼科

監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科

著者校正済:2025/01/15
現在監修レビュー中
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、『感染性角膜炎診療ガイドライン(第3版)』を参考に、若干、加筆・訂正した。
  1. フザリウムなどの糸状真菌による角膜炎には、唯一市販されているポリエン系の5%ピマリシン懸濁点眼薬を使用するが、必要に応じて注射薬から自家調製した点眼薬も使用する(例:0.1%アムビゾーム点眼薬、1%ボリコナゾール点眼薬)。この場合、自施設の倫理委員会の承認が必要であり、ピマリシン以外の自家調製点眼薬は保険適用が認められていない。
  1. カンジダなどの酵母型真菌による角膜炎には、0.2%フルコナゾールを使用するが、必要に応じて0.05%アムホテリシンB点眼薬、0.1%アムビゾーム点眼薬、1%ボリコナゾール点眼薬(いずれも注射用薬から自家調製)を使用する。そのほか、ミカファンギンやイトラコナゾールも有効である。同様に自家調製の場合は倫理委員会の承認が必要であり、0.2%フルコナゾール以外は保険適用がない。

概要・推奨   

概要:
  1. 角膜炎には感染性と非感染性があり、その鑑別は治療上、重要である。
  1. 感染性には細菌、真菌、ウイルス、原虫(アカントアメーバ)によるものがある。
  1. 感染性では有効な抗微生物薬の局所投与(頻回点眼など)が基本となり、一方、非感染性では副腎皮質ステロイド薬が主体になる。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 角膜炎は炎症の主座が角膜にあり、感染性と非感染性に分けられる。
  1. 隣接する結膜充血に加えて毛様充血を伴うことが多い。
  1. 感染性では、緑膿菌などの細菌(<図表><図表><図表><図表><図表><図表><図表><図表><図表>)、単純ヘルペスウイルスなどのウイルス(<図表>)、フザリウムなどの真菌(<図表>)やアカントアメーバなどの原虫による角膜炎(<図表><図表>)が挙げられる。
 
緑膿菌角膜潰瘍

典型的な輪状膿瘍(右)、輪状に近い(左)膿瘍を伴う角膜潰瘍を認める。

出典

著者提供
 
緑膿菌(グラム染色)

グラム陰性に染まる桿菌を認める。

出典

著者提供
 
セラチア性角膜潰瘍

膿性眼脂の付着を伴う軟らかい感じの角膜潰瘍を認める

出典

著者提供
 
Moraxella catarrhalis角膜潰瘍

軟らかい感じの角膜潰瘍が認められる。

出典

著者提供
 
モラクセラの塗抹鏡検写真

大きめのグラム陰性桿菌(双桿菌)が認められる。

出典

著者提供
 
黄色ブドウ球菌性角膜潰瘍

限局性の角膜潰瘍を認める。

出典

著者提供
 
ブドウ球菌

グラム陽性に染まる球菌(ぶどうの房状配列も)が認められる。

出典

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肺炎球菌性角膜潰瘍

角膜中央に円形の潰瘍を認める。

出典

著者提供
 
肺炎球菌(グラム染色)

グラム陽性に染まる双球菌(一部、連鎖状)を認める。

出典

著者提供
 
角膜ヘルペス

a:樹枝状角膜潰瘍 b:地図状角膜潰瘍

出典

著者提供
 
角膜真菌症

a:フザリウム b:アスペルギルス c:カンジダ d:セファロスポリウム

出典

著者提供
 
Fusarium sp.(パーカー・KOH染色)

多数の菌糸、真菌要素(大分生子と思われる)が認められる。

出典

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Aspergillus sp.(グラム染色)

グラム陽性に染まる菌糸が認められる。

出典

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C. albicans(グラム染色)

胞子および仮性菌糸が認められる。

出典

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アカントアメーバ角膜炎

a、b:放射状角膜神経炎 c:偽樹枝状角膜炎(上皮下混濁) d: 円板状潰瘍

出典

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アメーバシスト(グラム染色)

グラム陽性に染まる二重壁を持ったシストが2個、認められる。

出典

著者提供
 
アカントアメーバ・シスト(パーカー・KOH染色)

二重壁を持ったシストが認められる。

出典

著者提供
 
  1. 非感染性では、化学物質や熱などによる外傷、外来抗原に対するアレルギー反応、自己免疫疾患としての角膜炎や薬剤性(抗緑内障薬、非ステロイド抗炎症薬など)角膜炎が挙げられる。化学熱傷(<図表>)、フリクテン性角膜炎(<図表>)、カタル性角膜炎(<図表>)、モーレン潰瘍(蚕食性角膜潰瘍)(<図表>)、関節リウマチなどの膠原病に伴う周辺部角膜潰瘍(<図表>)、薬剤性角膜障害(<図表><図表>)などがある。
 
アルカリ熱傷

全周の球結膜の血管途絶を伴う重篤なアルカリ熱傷

出典

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フリクテン性角膜炎

下方角膜への血管侵入の先端に浸潤巣(潰瘍)が認められる。

出典

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カタル性角膜潰瘍

下方角膜に、輪部との間に透明帯を有する角膜潰瘍が認められる。

出典

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モーレン潰瘍

輪部に沿って周辺角膜に下掘れの角膜潰瘍を認める。

出典

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関節リウマチ関連角膜潰瘍

上方角膜に輪部に平行に下ぼれの潰瘍が認められる。

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ウェゲナー肉芽腫症に伴う角膜潰瘍

隣接する結膜充血を伴う周辺部角膜潰瘍

出典

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薬剤性角膜障害

a:薬剤性角膜障害 b:フルオレセイン染色

出典

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非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)点眼による角膜潰瘍

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薬剤過剰投与による角膜炎

遷延性角膜上皮欠損と角膜全体の混濁、パンヌス侵入を認める。

出典

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  1. 非感染性は通常、角膜周辺部に、一方、感染性は角膜中央部に生じやすい。
  1. 軽症以外の感染性角膜炎や重篤な周辺部角膜潰瘍では入院治療が必要である。
 
  1. 周辺部角膜潰瘍に遭遇した場合、非感染性と決めつけないことが推奨される(推奨度2)
  1. 通常、角膜周辺部に潰瘍がみられた場合は、カタル性角膜潰瘍、モーレン潰瘍や膠原病に伴う角膜潰瘍を疑うが、ときに、感染性もみられる。例えば、緑膿菌や黄色ブドウ球菌による角膜炎や角膜真菌症が挙げられる。翼状片術後など、ステロイド点眼薬使用眼における角膜潰瘍の場合は、感染性角膜炎も考慮して角膜擦過を行い、塗抹鏡検や培養検査を行うことが必要である。
  1. Vogt-小柳-原田病におけるステロイド点眼薬中にアシネトバクターによる周辺部角膜潰瘍を経験した。また、真菌による周辺部角膜潰瘍はよく経験されることである。
  1. よって周辺部角膜潰瘍に遭遇した場合、潰瘍病変の形、深さ、前房内の炎症、結膜充血や浮腫など総合的に判断することが必要である。感染性が否定できない場合は、積極的に角膜擦過を行い、起炎菌の検索をすることが重要である。
  1. 角膜周辺部は輪部血管網に近く、免疫的には強く感染症は起こしにくいと考えられる。一方、アレルギーや自己免疫性角膜潰瘍は角膜周辺部に起こしやすい。ステロイド点眼薬使用時など局所免疫低下があると感染症を起こすことがあるので注意が必要である。
 
  1. 細菌性角膜炎と真菌性角膜炎の臨床所見の違いを把握することは推奨される(推奨度1)
  1. 典型例では、細菌性角膜炎の潰瘍が軟らかく、陥凹しており、病変の辺縁がスムーズであるのに対し、真菌性角膜炎では硬く、病変が隆起しており、辺縁が不規則、羽毛状を呈することが多い。ただ、酵母型真菌による場合は細菌性角膜炎に類似して類円形、軟らかい潰瘍を生じることがあるので、注意が必要である。細菌性角膜炎にみられる軟らかい潰瘍は浸潤してきた好中球により形成される膿瘍で、種々の蛋白分解酵素(プロテアーゼ)による組織破壊が関与している。角膜真菌症では、潰瘍病変から周囲の実質にひも状、線状の混濁が伸びていることが多く、hyphate ulcerと呼ばれる。これは角膜実質内に伸びた真菌菌糸に他ならない。真菌性角膜炎でも末期に好中球の浸潤が著明になれば、軟らかい膿瘍を呈する。
  1. 角膜潰瘍病変を擦過してみると細菌性角膜炎では軟らかい手ごたえに対し、真菌性角膜炎では硬い印象を受ける。
  1. 角膜炎の臨床所見から、典型例では細菌性か真菌性か鑑別することは、ある程度、可能である。しかし、確定診断には角膜擦過による塗抹鏡検や培養検査が必要である。
  1. 角膜病変の所見に加え、治療経過も診断の補助となる。抗菌薬に対する反応が得られない場合、耐性菌による角膜炎や真菌性角膜炎を疑う。
問診・診察のポイント  
  1. 外傷歴、コンタクトレンズ装用(取り扱いの良否)、水疱性角膜症などの既存角膜疾患、アレルギー素因(アトピー性皮膚炎、膠原病など)、糖尿病などの全身疾患、ステロイド薬などの免疫抑制薬使用の有無を問診する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
松本光希 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:沖波聡 : 特に申告事項無し[2024年]

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