今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 相原 一 東京大学 眼科

監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科

著者校正/監修レビュー済:2024/10/02
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、典型的な原発開放隅角緑内障の症例について画像を用いて解説した。
  1. 早期発見していれば生涯保たせられたかと悔やむ症例であった。角膜厚が薄いため眼圧は過小評価されていると考えて、より低い眼圧を目標とした。詳細については本文を参照されたい。

概要・推奨   

  1. 開放隅角緑内障(OAG:open angle glaucoma)の治療に眼圧下降は有効である。
  1. 緑内障治療の最終目的はQOVとQOLの維持である。しかし、視神経障害は非可逆的であり、緩徐に進行するため治療効果の判定に長期間を要することから、患者毎に目標とすべき眼圧レベル(目標眼圧)を設定して緑内障治療を行う緑内障病期、無治療時眼圧、余命や年齢、視野障害の進行、家族歴、他眼の状況などの危険因子を勘案し、症例毎に目標眼圧を設定する。
  1. 目標眼圧は、無治療時眼圧から 20% の眼圧下降、30% の眼圧下降というように、無治療時眼圧からの眼圧下降率を目標として設定することが推奨されている(推奨度1、J)
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病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. 緑内障とは、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより、視神経障害を改善もしくは抑制し得る眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である(緑内障の定義と病態予後)。
  1. そのうち原発開放隅角緑内障(広義)は臨床上、開放隅角であり、眼圧上昇を来し得る疾患(状況)の有無および付随する要因がなく、特徴的な視神経乳頭および網膜神経線維層(RNFL)変化、さらにそれに合致した視野異常を有することから診断する(診断基準)。
  1. 原発開放隅角緑内障(広義)は、便宜上眼圧が統計学的正常眼圧上限値21 mmHg以上の原発開放隅角緑内障(狭義)と、それ以下の正常眼圧緑内障(NTG)を包括した疾患概念である。
  1. 40歳以上の日本人の疫学調査結果では3.9%。そのうち正常眼圧緑内障が約9割を占める(疫学)。
  1. 視野障害が進行するまで自覚症状がないため、受診率は1割程度しかなく、失明原因の上位を占める。検診により早期診断早期治療を行うことが望まれる(疫学)。
問診・診察のポイント  
  1. 原発開放隅角緑内障の診断には開放隅角で、ほかに眼圧上昇の原因がないことが重要であるため、外傷、ステロイド薬使用の有無を確認する。

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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
相原 一 : 報酬額(参天製薬(株),千寿製薬(株)),講演料(参天製薬(株),千寿製薬(株)),研究費・助成金など(参天製薬(株)),奨学(奨励)寄付など(参天製薬(株))[2024年]
監修:沖波聡 : 特に申告事項無し[2024年]

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緑内障(急性閉塞隅角緑内障、続発緑内障を除く)

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