脱水・輸液の方法 :トップ    
監修: 山中克郎 諏訪中央病院
前川道隆 藤田保健衛生大学 坂文種報徳會 腎臓内科

概要

症状のポイント:
  1. 一般に脱水とは、体液量が欠乏していることを意味する。その病態は、細胞外液の欠乏(volume depletion)、自由水の欠乏(dehydration、hypertonicity)に分類される。
  1. 細胞外液が欠乏すると循環血漿量・臓器還流が低下し、起立性低血圧や頻脈、腎機能障害などが生じる。細胞外液の欠乏より自由水の欠乏が多い場合、高ナトリウム血症となる。
  1. 高齢者では体内の水分量が少なく、心機能や腎機能が低下していることが多いため、軽度の体液欠乏でも大きな影響を受けて急性腎障害や電解質異常を呈する。また、倦怠感や傾眠、脱力など、非特異的な症状を呈することも少なくない。
  1. 高齢者の体液分布:<図表>
 
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  1. ポイント:
  1. 脱水の治療では、喪失した体液の種類や量を推定し、それを補うように輸液の計画を立てる。つまり、欠乏した細胞外液と自由水を、それぞれ等張液(生理食塩水やリンゲル液)と電解質を含まない輸液(5%ブドウ糖液)で補う。例えば、胃液や腸液、汗は血液より低張であり、細胞外液より自由水の喪失が多くなる。 症例  症例 
  1. 細胞外液欠乏と自由水欠乏の臨床的特徴:<図表>
  1. 通常、水分で1500mL、ナトリウム60mEq、カリウム30mEqが人体から一日で失われ、これは維持輸液である3号輸液1500mLに含まれる水分・電解質と合致する。ただし、輸液計画を立てる際には呼気や体表から失われる水分(不感蒸泄)を考える必要があり、1000mL/日以上の尿量を確保するためには維持輸液として2000mL/日以上が適切である。
  1. 下痢や嘔吐など水分や電解質の喪失が続いている場合には、維持輸液に加え、その喪失分も是正輸液として補充を行う必要がある。(輸液方法の詳細: >詳細情報 )
  1. 体外に喪失した水分量の推計:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

体液欠乏の有無を評価するための検査例
  1. 病歴、身体所見から体液欠乏を疑った場合には、臨床検査により体液欠乏の有無を評価することが推奨される。高度の体液欠乏では種々の電解質、酸・塩基平衡異常を伴うため、これらを是正する必要性も同時に評価する。
○ 脱水の場合、鑑別診断に基づき下記の検査を追加する。

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(詳細はこちらを参照)

高齢者の体液分布
高齢者における体液欠乏の危険因子
人体における水分のコントロール
細胞外液欠乏と自由水欠乏の臨床的特徴
Nohria-Stevenson分類
胸骨角と右房の位置関係
超音波検査での虚脱した内頸静脈
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


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