アルツハイマー型認知症 :トップ    
監修: 高橋裕秀 みどり野リハビリテーション病院
福井俊哉 かわさき記念病院病院長・昭和大学神経内科部門客員教授

概要

疾患のポイント:
  1. アルツハイマー型認知症(AD)とは、病理学的にはアミロイドβの脳内沈着と異常リン酸化タウの細胞内沈着を特徴とし、生化学的には脳内アセチルコリンの減少を特徴とする認知症である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 認知症の定義が満たされ、さらに年齢にかかわらず潜行的に発症し、認知(健忘、言語、視空間認知、実行機能)の進行性悪化を認めた場合、AD(probable)と診断される(NIA-AAによるAD診断)。
  1. 血管性認知症、レビー小体型認知症、意味性認知症、進行性非流暢性失語、うつや神経症を鑑別する。
  1. 鑑別診断には神経学的診察と血液・画像検査が必須であり、場合により脳脊髄液を用いたバイオマーカー検査が有用である。
  1. 初診時に簡易認知症検査(改訂長谷川式簡易知能評価スケール[HDSR]、 Mini Mental State Examination(ミニメンタルステート検査)(MMSE)、Clock Drawing Test(時計描画テスト)[CDT]など)やFunctional Assessment Staging (FAST)(アルツハイマー病機能評価ステージ)で重症度を評価する。

重症度・予後: >詳細情報 
  1. AD重症度を(MMSE)の点数に対応させた場合、慣例的に26/27~20点が軽度、20~10点が中等度、12~10点以下が高度とされることが多い。
  1. AD症例の生活能力をランクづけるFunctional Assessment Staging (FAST)を用いた場合は、FAST 1:正常、2:年齢相応の低下、3:境界領域、4:軽度AD(日常生活に支障が出現)、5:中等度AD(助言が必要)、6:高度AD(介助が必要)、7:非常に高度AD(言語・歩行・坐位・笑いの能力喪失)――に区分される。

治療: >詳細情報 
  1. 重症度別AD薬物治療アルゴリズムにそって加療を選択する。
  1. AD治療薬物として、コリンエステラーゼ阻害薬(ChEI・ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)とグルタミ…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時:病歴聴取、身体診察、認知機能診察
  1. 認知症診断の基本は正確な病歴聴取、身体診察、および認知機能診察である。それらに優る補助診断法はない。
  1. 認知症、特にADの診断に際しては、認知症であることの診断に加えて、AD以外の認知症の鑑別診断が必要となる。そのためには、まず認知症の存在を診断するための詳細な病歴聴取とともに簡易認知機能検査を行う。
  1. 認知機能障害の内容の差異はADとほかの認知症を鑑別する際に参考となるが、認知機能障害内容の詳細な検討には、記憶・実行機能・視空間認知・言語に特化した検査が必要である。
  1. 鑑別診断には神経学的診察と血液・画像検査が必須であり、場合により脳脊髄液を用いたバイオマーカー検査が有用である。
○ 日常生活や職務に支障をきたさない程度の認知低下を「軽度認知障害」、支障を来す程度のものを「認知症」と区分する。患者の年齢、環境によりその境界線は浮動的である。認知症の正しい鑑別診断は、その後の治療・ケア方針を決定する上で最重要である。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

アルツハイマー病症例の初回治療
重症度別AD薬物治療アルゴリズム
陽性BPSDの治療アルゴリズム
陰性BPSDの治療アルゴリズム
コリンエステラーゼ阻害薬の切り替え法
Alois Alzheimer
Auguste Deter
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


  • 神経 の他のコンテンツを見る
詳細ナビ