血管性認知症 :トップ    
監修: 高橋裕秀 みどり野リハビリテーション病院
川畑信也 八千代病院 認知症疾患医療センター

概要

疾患のポイント:
  1. 血管性認知症とは、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が主因となって生じる認知症である。
  1. 脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が主因となって生じる認知症が血管性認知症である。
  1. 血管性認知症は、アルツハイマー型認知症ならびにレビー小体型認知症とともに認知症を生じる3大疾患である。
  1. 脳血管障害が原因となる局所神経徴候を認めるとき、血管性認知症の可能性を考える。わが国では、多発性ラクナ梗塞に伴う認知症、すなわち細血管病変に伴う認知症が最も多い。
  1. 75歳以上の高齢者では、脳血管病変とアルツハイマー型認知症病変の合併例も多い。脳血管障害を伴うアルツハイマー型認知症あるいは混合型認知症といった臨床概念を理解しておくことも必要である。
 
診断: >詳細情報 アルゴリズム
  1. 血管性認知症は、①認知症の存在②脳血管障害の存在③認知症と脳血管障害との間に時間的関連性が証明される――の3点から診断される。
  1. 臨床像あるいは脳画像検査から脳血管障害の存在を確認する。

重症度・予後: >詳細情報 
  1. 血管性認知症の重症度を判断する基準は存在しない。

治療: >詳細情報 
  1. 認知症の進展抑制と脳血管障害の2次予防が主な治療となる。
  1. 血管性認知症における認知症の進展抑制にエビデンスのある薬剤は存在しない。 エビデンス  エビデンス 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

血管性認知症を考えたときに行う検査例
  1. 血管性認知症と診断してもアルツハイマー型認知症病変が合併する可能性を否定できない。
  1. 病態の正確な把握のために脳血管病変の性状の検索や脳血流異常の有無やその局在を確認することが必要である。
○ 血管性認知症を考えたとき、まずは1)を行い、必要に応じて2)を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

血管性認知症鑑別の手順
血管性認知症とアルツハイマー型認知症との関係
混合型認知症の重要性
認知機能に関与する領域にみられた単一病変に伴う認知症(strategic single infarct dementia)
著者校正/監修レビュー済
2018/07/04

改訂のポイント:
  1. 現在の認知症診療は,アルツハイマー型認知症に新薬開発を含めて関心が集中しており、血管性認知症に関する新たな研究成果はほとんどないのが実情ではないかと思われる。
  1. わが国においても血管性認知症に関する纏まった臨床研究はないと言っても過言ではない。
  1. 2013年に発表されたDSM-5では,認知症は,major neurocognitive disorderに一括され、血管性認知症は、major vascular neurocognitive disorderとされている。


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