胃アニサキス症 :トップ    
監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院
天野祐二 国際医療福祉大学化学療法研究所附属病院 内視鏡部

概要

疾患のポイント:
  1. 胃アニサキス症とは、多くの海産魚類に寄生するAnisakis属またはAnisakis亜科に属するPseudoterranova属の幼虫が、経口的に侵入し胃壁へ刺入することにより発生する寄生虫疾患である。
  1. 待機宿主といわれるサバ、イカ、イワシ、アジ、サケ、カツオ、タラなどに寄生したアニサキス第3期幼虫の生食により、多くは4~6時間後に悪心・嘔吐と上腹部痛などの症状で発症する。
  1. 胃アニサキス症は、虫体が胃壁に刺入することによって生じる急性アレルギー反応が原因である。
  1. 近年では、海産魚類生食という食文化の流行もあって、特に急性胃アニサキス症はきわめて多い。内視鏡治療で簡単に治癒することもあって、本例が届出報告されることは少なくなったが、国立感染症研究所によると、近年の症例数は年間7,000例強と試算されている。
 
診断: >詳細情報 
  1. 内視鏡検査により胃壁に刺入する虫体を証明することで診断となる。
  1. 胃アニサキス発症・診断のアルゴリズム:アルゴリズム
  1. 胃噴門部にアニサキス虫体が刺入した症例の胃前庭部内視鏡写真:<図表>
  1. 食道胃接合部にアニサキス虫体が刺入した症例:<図表>
 
治療: >詳細情報 
  1. 内視鏡的なアニサキス虫体の摘出が第1選択の治療法である。
 
臨床のポイント:
  1. 胃アニサキス症とは、サバやイカなどに生息するアニサキスが胃粘膜に刺入して生ずるアレルギー反応により起こる急性腹症である。
  1. 原因として多いのは、しめサバ、イカやサケの刺身などである。
  1. 急激な上腹部痛や嘔吐など症状を呈することが多い。
  1. 内視鏡検査で診断すると同時に治療として虫体の摘出を行う。

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

第1選択とする検査と治療
  1. 本症を疑い、症状の強い場合は、可能な限り上部消化管内視鏡検査を行う。治療に直結した最も感度の高い検査である。
○ 問診により本疾患を疑った場合、下記の1)を施行し、同時に治療として2)を施行する。

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薬剤監修について:
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胃アニサキス発症・診断のアルゴリズム
胃体上部大弯にアニサキス虫体が刺入した症例の胃前庭部の内視鏡写真
胃噴門部にアニサキス虫体が刺入した症例の胃前庭部内視鏡写真
胃体上部大弯にアニサキス虫体が刺入した症例
食道胃接合部にアニサキス虫体が刺入した症例
胃体上部大弯にアニサキス虫体が刺入した症例
著者校正/監修レビュー済
2016/11/30