今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 小宮幸作 大分大学医学部 呼吸器・感染症内科学講座

監修: 長瀬隆英 東京大学名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2024/05/01
参考ガイドライン:
  1. 日本呼吸器学会:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下について改訂・追記を行った。
  1. 急性増悪時の抗菌薬の使い方について改訂を行った。
  1. 症例案に「エリスロマイシンの少量長期投与で軽快した例」を追記した。

概要・推奨   

  1. エリスロマイシンで治療を開始する(推奨度1)
  1. 無効時は、肺非結核性抗酸菌症の除外を行った上でクラリスロマイシンまたはロキシスロマイシンに変更する。さらに無効であればアジスロマイシンへの変更を考慮する(推奨度2)
  1. 急性増悪時には外来であればレスピラトリーキノロン、入院であれば耐性誘導防止の観点からペニシリン系抗菌薬の点滴を行う(推奨度2)

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. びまん性汎細気管支炎(DPB)は日本で疾患概念が確立され、慢性の膿性痰、咳嗽、ならびに労作時息切れが持続する原因不明の慢性上気道・下気道の炎症性疾患を特徴とする。
  1. かつては多量の膿性痰を主訴に、慢性呼吸不全の末に死亡するきわめて予後不良であった。
  1. 慢性副鼻腔炎の合併または既往を認め、胸部X線にて両肺野びまん性散布性粒状影、あるいは胸部CTでは両肺野びまん性小葉中心性粒状病変がみられる。
  1. 東アジアに集積する慢性気道炎症性疾患であり、近年は国内罹患率の減少がみられている。HLA-B54の陽性率が日本人では高率であり、ムチン様遺伝子PBMUCL1が候補遺伝子の1つであると報告されている[1]
  1. DPBの原因は不明であるが、東アジアに集積する疾患であることから遺伝的素因の関与が考えられている[2]
 
問診・診察のポイント  
  1. 慢性の気道症状があることを確認する。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
小宮幸作 : 講演料(インスメッド合同会社)[2025年]
監修:長瀬隆英 : 特に申告事項無し[2025年]

ページ上部に戻る

びまん性汎細気管支炎(DPB)

戻る