びまん性汎細気管支炎(DPB) :トップ    
監修: 長瀬隆英 東京大学 内科学専攻器官病態内科学講座
山谷睦雄 東北大学大学院医学系研究科先進感染症予防学寄附講座

概要

ポイント:
  1. びまん性汎細気管支炎とは、日本で疾患概念が確立された、原因不明の慢性上気道・下気道の炎症性疾患である。
  1. 進行するとびまん性気管支拡張(DBE)に至り、改善が得がたくなる。東アジア諸国に見られるが、欧米では報告が稀で、人種特性が見られる疾患である。
  1. 日本ではHLA-B54との高い関連が認められる。耳鼻科領域ですでにマクロライド療法が開始されることがほとんどで、近年下気道疾患を認めることが少なくなっている。
 
診断: >詳細情報 
  1. 「診断の手引き」(平成10年12月12日改訂)に準じる[1]。
  1. 1:咳嗽・喀痰・労作時息切れを認める。慢性副鼻腔炎の合併ないし既往がある。
  1. 2:胸部聴診所見で断続性ラ音(多くはcoarse crackles)を聴取する。ときに連続性ラ音(wheezes, rhonchi)ないしスクォーク(squawk)を伴う。
  1. 3:胸部画像所見では、単純X線所見において両肺びまん性の粒状影を認める(初期は下肺野優位、進行すると上肺野に及ぶ)。しばしば過膨張所見を呈する。胸部 CT所見では両肺びまん性で下肺野優位に「小葉中心性粒状影」を認め、しばしば低吸収域(LAA: low attenuation area)を認めない。
  1. 画像 胸部X線:<図表>
  1. 画像 胸部CT:<図表>
  1. 4:呼吸機能検査所見で1.FEV1低下、2.肺活量低下、3.残気率増加、4.低酸素血症のうち3項目以上を満たす。拡散能の低下はみられない。
  1. そのほか寒冷凝集素価の上昇、IgA値の上昇などが特徴的である。喀痰検査ではインフルエンザ菌を検出するが、進行すると菌交代を起こして、緑膿菌の比率が増加する。
 
予後評価: >詳細情報 
  1. かつては多量の膿性痰を主訴に、慢性呼吸不全の末に死亡する極めて予後不良であった。
  1. 1980年代、工藤により14員環マクロライド療法が発見されて以来、呼吸不全状態の著しい改善と共に予後の改善が見られた。
  1. 慢性副鼻腔炎と呼吸細気管支炎は画像診断上(HRCT…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断のための検査例
  1. 上述の「診断の手引き」平成10年12月12日改訂に準じて診断をする。
○ ほとんどすべての患者で1)-5)7)-12)の検査を行う。鑑別目的で、6)の検査を追加する。

追加情報ページへのリンク

 

リファレンス

img  1:  厚生省特定疾患調査研究班 平成10年度報告書 DPBの診断指針改定と重症度分類策定、頁109-111, 1998.
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

鑑別診断 副鼻腔気管支症候群に含まれる疾患
画像 胸部X線
画像 胸部CT
診療報酬査定解除の答申
著者校正/監修レビュー済
2017/03/31