前置胎盤

著者: 近藤英治 京都大学 器官外科学 婦人科学産科学

監修: 金山尚裕 静岡医療科学専門大学校

著者校正/監修レビュー済:2018/05/23

概要・推奨  

疾患のポイント:
  1. 前置胎盤とは、胎盤が内子宮口の全部または一部を覆う状態をいう。前置胎盤は全妊娠の0.3~0.5%に合併する。多くは無症候で、通常、妊婦健診でみつかる。癒着胎盤の危険因子であり、また、多量性器出血を来し早期娩出が必要となることがあり、前置胎盤の平均分娩週数は 34~35 週である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 妊娠20週以降の下腹部痛を伴わない突然の鮮紅色の性器出血は前置胎盤を疑う。診断は経腟超音波検査で行う。
  1. 前置胎盤の経腟超音波矢状断画像:<図表>
  1. 前置胎盤の経膣超音波画像:<図表>
  1. 部分前置胎盤の経腟超音波矢状断画像:<図表>
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. 妊娠中期に「前置胎盤疑い」とされた症例の多くは、その後の子宮下節の伸展に伴い、胎盤は内子宮口から離れていく(placental migration)。妊娠15~19週、20~23週、24~27週、28~31週、32~35週の各期間に前置胎盤を認めた症例で、分娩時まで前置胎盤である頻度はそれぞれ12%、34%、49%、62%、73%である。
  1. 癒着胎盤の場合は帝王切開時にさらに大量出血を来す。前置胎盤と既往帝王切開術は癒着胎盤の最も重要な危険因子である。
  1. 癒着胎盤を疑う超音波断層法の所見:<図表>
  1. 癒着胎盤の経腟超音波画像:<図表>
 
治療・対応:アルゴリズム …
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

前置胎盤診断のための検査例
  1. 前置胎盤の診断に不可欠
○ 妊婦健診時に、スクリーニングとして1)を行う。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 産婦人科診療ガイドライン産科編2017、CQ304 に基づき輸血の体制などにつき追記

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