ハンセン病 :トップ    
監修: 細川直登 亀田総合病院
豊川貴生 沖縄県立南部医療センター・こども医療センター 感染症内科

概要

疾患のポイント:
  1. ハンセン病は、抗酸菌の一種であるらい菌(Mycobacterium leprae)による慢性細菌感染症であり、主に皮膚と末梢神経を主病変とし、多彩な皮膚病変、末梢神経障害に伴う感覚・運動障害により変形や機能不全を呈することが特徴である。
  1. 日本では2011年に5例が診断され、うち3例(60%)が外国人であった。患者数が減少したため、日本の医師のほとんどは診療経験がなく、初診から診断までに時間を要することが多い。見落とさないためには、特に高齢者、流行国からの渡航者や在留外国人、流行国にて長期滞在歴のある患者で、診断のつかない皮疹の鑑別に入れることが第一歩である。また、アルマジロがMycobacterium lepraeの自然宿主であり、人畜共通感染症としての感染源になっている可能性が近年指摘されており、鑑別にあげた時点でアルマジロへの曝露歴の確認を行う。
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. ①知覚の障害を伴う皮疹、②末梢神経の肥厚や運動障害、③らい菌の検出、④病理組織検査――の4点から総合的に診断を行う。
  1. ハンセン病に特異的な皮疹はなく、白斑、紅斑、環状斑、丘疹、結節などさまざまな表現型を持つ。
  1. 末梢神経を体表から確認できる総腓骨神経や橈骨神経、正中神経、大耳介神経などを視診・触診し、固さや肥厚、圧痛の有無を確認する。<図表><図表>
  1. ハンセン病に感覚障害や運動障害が認められることがあるため、綿球や筆、爪楊枝、細いゲージの針などを用いて、触覚、痛覚を確認し、筋萎縮の有無や四肢の徒手筋力テストや深部腱反射、筋トーヌスなどを注意深く評価する。
  1. 菌の存在を確認するため皮膚組織液の塗抹による抗酸菌検査(皮膚スメア検査、slit skin smear test)を実施し、菌指数(Bacterial Index、BI)を決定する。
  1. indeterminate[I群]患者の皮疹:<図表>
  1. tuberculoid[TT]型患者の皮疹:<図表>
  1. MB(multibacillary:多菌型)lepromatous(LL)型患者の皮疹:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

確定診断するための検査例
  1. 菌の存在を証明し、特徴的な類上皮細胞肉芽腫像および末梢神経の破壊像を同定する。
○  1)~3)を確定診断のため行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

ハンセン病診断の手順
日本におけるハンセン病の標準的化学療法 (2013)
ハンセン病で肥厚を来しやすい末梢神経
肥厚した大耳介神経
Ⅰ群患者の皮疹
TT型患者の皮疹
MB(LL型)患者の皮疹
らい性結節性紅斑
らい菌 皮膚スメア検査(1000倍、油浸)
著者校正/監修レビュー済
2017/12/25


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