市中肺炎

著者: 福地貴彦 自治医科大学附属さいたま医療センター 総合診療科

監修: 具芳明 国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター

著者校正/監修レビュー済:2019/06/06
参考ガイドライン:
ATS/IDSAガイドライン2007

概要・推奨  

薬剤承認情報:
2019年9月20日  ラスビック錠 (ラスクフロキサシン塩酸塩 キノロン系経口抗菌剤)
 
  1. 市中肺炎と診断したら、種々のガイドラインに則って重症度を算出し、外来/一般病棟/ICUのいずれでどのように治療するかを検討することは、おそらく推奨される(推奨度1)。
  1. 秋から冬にかけての市中肺炎患者に対して、未接種であれば肺炎治癒後にインフルエンザワクチンを接種することは、おそらく推奨される(推奨度2)。
  1. 市中肺炎で、喀痰検査でよい検体が採取できない場合や、下痢、嘔吐、強い意識障害、低Na血症などを認めた場合、尿中レジオネラ抗原を測定することを考慮する(推奨度3)。
  1. 心・肺・肝・腎疾患、糖尿病患者、免疫抑制患者に加え、過去3カ月以内に抗菌薬治療を受けた患者では耐性菌のリスクを考慮する必要があり、より広域な抗菌薬を用いることは、おそらく推奨される(推奨度2)。
  1. 非定型病原体のカバーを行っても治療不良症例は減少しないため、中等症以下の市中肺炎の治療では、ルーチンでの非定型病原体のカバーは推奨されない(推奨度3)。
  1. 市中肺炎にはステロイドの使用は通常推奨されない。ただし、重症市中肺炎で、免疫不全がない、誤嚥性肺炎でもないという条件を満たせば、ステロイドの使用はおそらく推奨される(推奨度3)。
  1. 市中肺炎に対してキノロン系薬を用いる際には、結核菌感染症を除外してから投与することが、おそらく推奨される(推奨度2)。
  1. 市中肺炎の治療の効果があり、質のよい検体から有意菌が検出された場合、積極的にde-escalationを行う、あるいは内服薬にスイッチすることは、おそらく推奨される(推奨度2)。
  1. 市中肺炎に罹患した患者で65歳以上の高齢者と免疫抑制患者全例に、退院時あるいは退院後初回再診時に肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV23)あるいは肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)を接種することは、おそらく推奨される(推奨度2)。
  1. 市中肺炎の治療経過で喫煙者に対して禁煙指導をすることは、おそらく推奨される(推奨度2)。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った。
  1. Cochrane データベースがアップデートされており、加筆修正を行った。


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