市中肺炎 :トップ    
監修: 具芳明 国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター
福地貴彦 自治医科大学附属さいたま医療センター 総合診療科

概要

疾患のポイント:
  1. 市中肺炎とは、通常の社会生活を送っている人が医療機関以外の場所で感染することで起きる肺炎であり、院内肺炎と医療機関関連性肺炎と区別される。つまり、感染発症90日前に2日以上の入院や抗菌薬の使用や、介護施設や透析施設などの医療機関からの入院などに該当しない患者に起こった肺炎である。
  1. 発熱、咳、呼吸困難、喀痰、全身倦怠感が典型的症状だが、高齢者や免疫抑制患者では訴えが不明瞭なことも多い。
  1. 日本での肺炎受療率は人口10 万対30 で、死亡率は人口10 万対70。死因順位は2011年より第3位に浮上した。受療率、罹患率ともに高齢になるに従い急増し、85 歳以上の男性では死因第2位、90 歳以上の男性では第1位 となる。
 
診断: >詳細情報 
  1. 胸部X線で新たに出現した浸潤影を認めたら、まず市中肺炎を考える。
  1. 喀痰グラム染色、喀痰培養、血液培養、尿、尿中抗原などを必要に応じて提出し、抗菌薬治療を開始する。
  1. 必要に応じてCT検査を行う。特に、改善しない肺炎の場合に、合併疾患の有無を確認する。
 
重症度・予後: >詳細情報 
  1. PSI、CURB-65、A-DROPなど複数のガイドラインに重症度スコアリングがある。バイタルサイン、いくつかの血液検査、胸部X線所見で判定される。 エビデンス 
  1. 外来で検査せずに測定できるのはCRB-65である。
  1. 採血ができる場所では、CURB-65、A-DROPを用いる。
  1. 採血でき、血液ガスが測れる環境ではPSIを用いる。
  1. 関連画像:
  1. 肺炎の重症度スコア(CRB-65):アルゴリズム
  1. 肺炎の重症度スコア(CURB-65):アルゴリズム
  1. 肺炎の重症度スコア(PSI):…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時評価例
  1. 喀痰グラム染色と喀痰培養は非常に重要である。
  1. 喀痰検査でよい検体が採取できない場合や下痢、嘔吐、強い意識障害、低Na血症などを認めた場合は、尿中レジオネラ抗原を測定する。 エビデンス 
  1. 診断と平行して重症度の評価を行う。重症度評価には、下記の方法があり、CRB65は、診察のみで重症度を評価できる。CURB65、A-DROPは一般採血が必要であり、PSIには血ガスが必要である。
  1. PSIでは、70点未満は外来で加療、70点以上で入院、130点以上ではICUで加療としている。
  1. CURB-65では、0~1点で外来治療、それより点数が高ければ入院(2点で一般病棟、3点以上でICU)を考慮としている。
  1. CRB-65では、0点で外来治療、1~2点で入院精査、3点以上では緊急入院を考慮としている。
  1. A-DROPでは、0項目で外来治療、1~2項目で入院を考慮、3項目で入院、4項目以上でICU入院としている。
  1. 関連画像:
  1. 肺炎の重症度スコア(PSI):<図表>
  1. 肺炎の重症度スコア(CURB-65):アルゴリズム
  1. 肺炎の重症度スコア(CRB-65):アルゴリズム
  1. A-DROP:<図表>
  1. 誤嚥のエピソードと、画像上、立位では肺の下部のセグメントに、仰臥位では背面に存在する陰影を認める場合は、誤嚥性肺炎を考慮する。( 誤嚥性肺炎 参照)
○ 診断と平行して重症度の評価を行う。CRB65は、診察のみで重症度を評価できる。CURB65の測定には4)を検査する。A-DROPの測定には 13)が必要となる。PSIの評価のためには1)2)6)11)12)が必要になる。抗菌薬を選択するうえにおいて9)10)は非常に大事な検査である。レジオネラを疑う所見を認めた場合は8)を検査する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

PORT severity index(PSI)による重症度分類
肺炎の重症度スコア(CURB-65)
肺炎の重症度スコア(CRB-65)
A-DROP
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


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