アルコール性肝障害 :トップ    
監修: 金子周一 金沢大学大学院
竹井謙之 三重大学大学院 医学系研究科 消化器内科

概要

疾患のポイント:
  1. アルコール性肝障害とは、アルコールによる肝臓への障害の結果、脂肪肝から肝線維症、肝硬変、肝癌に至る慢性肝障害や、肝細胞壊死が前景に出るアルコール性肝炎などを来した状態である。
  1. アルコール性肝障害には、アルコール性脂肪肝、アルコール性肝線維症、アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変、アルコール性肝がんなどの病型がある。また、アルコール性肝炎の重症例は重症型アルコール性肝炎と呼ばれる。
  1. アルコール性肝障害の各病型の診断基準2011年版:<図表>
  1. とくに、重症型アルコール性肝炎は発熱、黄疸、腹水など肝不全症状に加え、脳症や消化管出血、感染症、腎不全などを合併しやすく、重篤な経過をたどる病態である。
  1. 重症型アルコール性肝炎の説明:<図表>
 
診断: >詳細情報 
  1. 基本的には、過剰の飲酒歴を確認し、ウイルス性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、薬剤性肝障害などほかの肝機能障害などを除外することで、診断となる。
  1. 診断後、アルコール性脂肪肝、アルコール性肝線維症、アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変、アルコール性肝がんなどの病型を評価し、また、肝障害の程度を判断する。
  1. アルコール性肝障害診断の要点:<図表>
  1. アルコール性肝障害の各病型の診断基準2011年版:<図表>
  1. 重症型アルコール性肝炎の説明:<図表>
  1. 脳症や発熱、黄疸、腹水などを認め、病型の1つであるアルコール性肝炎を疑う場合や禁酒で改善しない場合は肝生検を考慮する。  …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

アルコール性肝障害の診断例
  1. 過剰の飲酒歴※とウイルス性肝障害などを除外しアルコール性肝障害の診断をする。
  1. なお、アルコール性肝障害は以下の特徴を持つ。
  1. アルコール性肝障害ではAST>ALTが特徴的である。
  1. アルコール性肝障害診断の要点:<図表>
  1. アルコール性肝障害ではγ-GTPが上昇し、ALPと乖離する。
  1. 過剰の飲酒とは、1日平均純エタノール量60g(ビール1.2L、日本酒3合、グラスワイン3杯程度)以上を意味する。ただし、女性やALDH2遺伝子欠損者では1日40g程度でも肝障害を起こし得る。
○ アルコール性肝障害を疑う場合は、アルコールの飲酒歴の確認と下記の検査を行いほかの肝機能障害の原因を除外する。

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アルコール性肝障害の治療とフォローアップのアルゴリズム
アルコール性肝炎の治療アルゴリズム
アルコール性肝障害の進展様式
アルコール性肝障害の発症機序
女性とアルコール関連問題
アルコール性肝障害診断の要点
重症型アルコール性肝炎の説明
アルコール性肝障害診断基準2011年版 (アルコール医学生物学研究会)
アルコール性肝障害の病理組織像
アルコール性肝障害治療の要点
著者校正/監修レビュー済
2017/02/28


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