多発性骨髄腫 :トップ    
監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター
安倍正博 徳島大学大学院血液・内分泌代謝内科学分野

概要

ポイント:
  1. 多発性骨髄腫(multiple myeloma)は、骨髄を主たる病変としM蛋白を産生する多発性の形質細胞腫瘍である。前癌病変である意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)を経て発症する。
  1. 骨痛(病的骨折)、貧血症状(労作時動悸や息切れ)、高カルシウム血症(多飲、多尿、口渇、便秘、悪心・嘔吐、意識障害)、易感染性(繰り返す感染症)、神経症状(髄外腫瘤による神経根や脊髄の圧迫やアミロイド浸潤による手根管症候群)などの症状が特に複数あれば多発性骨髄腫を想起する。
  1. 多発性骨髄腫は単クローン性形質細胞の骨髄内集積と血中および尿中の単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)を伴っている。一部に髄外腫瘤(形質細胞腫)で発症する場合がある。
  1. 無症候であるが検査値異常のみで疑われ、診断される場合が増えている。検診などで血清総蛋白の高値や膠質反応の異常、貧血、腎機能障害、赤沈の亢進などの異常があれば、蛋白分画、血清・尿免疫電気泳動を行う。
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 国際骨髄腫作業部会(IMWG)の骨髄腫および関連疾患の診断基準を用い診断する。診断を確定するため、まず血清蛋白分画、血清・尿免疫電気泳動、免疫グロブリンの定量を行いM蛋白の同定と定量を行う。さらに、骨髄穿刺・生検により形質細胞の腫瘍性増殖を証明する。
  1. 国際骨髄腫作業部会による骨髄腫および関連疾患の診断基準: >詳細情報 
  1. 多発性骨髄腫とくすぶり型多発性骨髄腫の診断基準:<図表>
  1. M蛋白・骨病変を有する鑑別疾患: 鑑別疾患 
  1. 蛋白分画:<図表>
  1. 免疫電気泳動<図表>
  1. 骨髄腫細胞(骨髄塗抹標本、ライト・ギムザ染色):…

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断するための検査
  1. IMWGの骨髄腫および関連疾患の診断基準を用い診断する。診断を確定するため、まず血清蛋白分画、血清・尿免疫電気泳動、免疫グロブリンの定量を行いM蛋白の同定と定量を行う。さらに、骨髄穿刺・生検により形質細胞の腫瘍性増殖を証明する。
  1. 国際骨髄腫作業部会による骨髄腫および関連疾患の診断基準: >詳細情報 
  1. 多発性骨髄腫とくすぶり型多発性骨髄腫の診断基準:<図表>
  1. 骨髄腫診断事象(MDE)として、高カルシウム血症[C]、腎機能障害[R]、貧血[A]、骨病変[B]の有無を精査する。
○ 多発性骨髄腫を疑う場合は、1)~9)11)の検査を行い、確定診断の目的で10)をさらに追加する。

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(詳細はこちらを参照)

未治療多発性骨髄腫患者に対する治療アルゴリズム
再発、再燃多発性骨髄腫に対する治療アルゴリズム
骨髄腫の進展と染色体異常
骨髄腫の病態
腎障害の発症機序
高カルシウム血症の発症機序
骨髄腫細胞(骨髄塗抹標本、ライト・ギムザ染色)
症候性骨髄腫の症状
蛋白分画
免疫電気泳動
著者校正/監修レビュー済
2017/09/29

編集部編集コンテンツ:
 
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