多発性骨髄腫

著者: 安倍正博 徳島大学大学院血液・内分泌代謝内科学分野

監修: 木崎昌弘 埼玉医科大学総合医療センター

著者校正/監修レビュー済:2019/03/05

概要・推奨  

ポイント:
  1. 多発性骨髄腫(multiple myeloma)は、骨髄を主たる病変としM蛋白を産生する多発性の形質細胞腫瘍である。前癌病変である意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)を経て発症する。
  1. 骨痛(病的骨折)、貧血症状(労作時動悸や息切れ)、高カルシウム血症(多飲、多尿、口渇、便秘、悪心・嘔吐、意識障害)、易感染性(繰り返す感染症)、神経症状(髄外腫瘤による神経根や脊髄の圧迫やアミロイド浸潤による手根管症候群)などの症状が特に複数あれば多発性骨髄腫を想起する。
  1. 多発性骨髄腫は単クローン性形質細胞の骨髄内集積と血中および尿中の単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)を伴っている。一部に髄外腫瘤(形質細胞腫)で発症する場合がある。
  1. 無症候であるが検査値異常のみで疑われ、診断される場合が増えている。検診などで血清総蛋白の高値や膠質反応の異常、貧血、腎機能障害、赤沈の亢進などの異常があれば、蛋白分画、血清・尿免疫電気泳動を行う。
 
診断: >詳細情報 
  1. ポイント:
  1. 国際骨髄腫作業部会(IMWG)の骨髄腫および関連疾患の診断基準を用い診断する。診断を確定するため、まず血清蛋白分画、血清・尿免疫電気泳動、免疫グロブリンの定量を行いM蛋白の同定と定量を行う。さらに、骨髄穿刺・生検により形質細胞の腫瘍性増殖を証明する。
  1. 国際骨髄腫作業部会による骨髄腫および関連疾患の診断基準: >詳細情報 
  1. 多発性骨髄腫とくすぶり型多発性骨髄腫の診断基準:<図表>
  1. M蛋白・骨病変を有する鑑別疾患: 鑑別疾患 
  1. 蛋白分画:<図表>
  1. 免疫電気泳動<図表>
  1. 骨髄腫細胞(骨髄塗抹標本、ライト・ギムザ染色):…
検査・処方例
※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

診断するための検査
  1. IMWGの骨髄腫および関連疾患の診断基準を用い診断する。診断を確定するため、まず血清蛋白分画、血清・尿免疫電気泳動、免疫グロブリンの定量を行いM蛋白の同定と定量を行う。さらに、骨髄穿刺・生検により形質細胞の腫瘍性増殖を証明する。
  1. 国際骨髄腫作業部会による骨髄腫および関連疾患の診断基準: >詳細情報 
  1. 多発性骨髄腫とくすぶり型多発性骨髄腫の診断基準:<図表>
  1. 骨髄腫診断事象(MDE)として、高カルシウム血症[C]、腎機能障害[R]、貧血[A]、骨病変[B]の有無を精査する。
○ 多発性骨髄腫を疑う場合は、1)~9)11)の検査を行い、確定診断の目的で10)をさらに追加する。

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
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