抗凝固薬(薬理)

著者: 中原 保裕 (有)ファーマシューティカルケア研究所

著者校正/監修レビュー済:2019/07/09

概要・推奨  

  1. 動静脈血栓症には、脳卒中、肺塞栓、心筋梗塞、上腸管膜動脈血栓症などの疾患が含まれ、罹患率も死亡率も高い。
  1. 多くの動脈血栓は、動脈硬化性のプラークは破裂した際に、その部位に多量の血小板の凝集と比較的少量のフィブリン形成が促進され血小板が有意の血栓(白色血栓)を生じ、血流を閉塞する。したがって、動脈血栓の予防には、動脈硬化の予防と、血小板凝集の阻害が有効である。
  1. 一方、静脈血栓は、動脈血栓とは異なり、傷ついた血管損傷部位に形成されることはまれで、多くの場合は、深部静脈や心房細動時の心房内など血流が滞った部位に発生することが多い。これらの血栓は、赤色血栓と呼ばれ、動脈血栓と比較して、血小板は少なく主にフィブリンとそれによって補足された赤血球で構成されている。したがって、静脈血栓の予防には、静脈うっ滞の解消とフィブリン形成の予防が有効である。
  1. これらの病態を鑑みて、抗血栓薬は、①主に血小板の凝集を阻害し動脈血栓を阻害する抗血小板薬、②主にうっ血部位での凝固反応の活性化を阻害し静脈血栓を予防する抗凝固薬、③すでに形成されている血栓を早期に溶解する目的の血栓溶解薬の3つのカテゴリーに分けると理解しやすい。しかし、動脈血栓の急性期の病態では抗血小板薬、抗凝固薬、血栓溶解薬もしばしば併用されることも多く、また、肺塞栓症などの静脈血栓症では血栓溶解薬と抗凝固薬が併用されることも多い。
  1. 血栓形成プロセスと薬の作用点:図<図表>
 
参考コンテンツ:
  1.  脳梗塞 
  1.  心房細動 
  1.  深部静脈血栓症 
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定例レビューを行った(変更なし)


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