遺伝性血管性浮腫 :トップ    
監修: 山本一彦 東京大学大学院医学系研究科
堀内孝彦 九州大学病院 別府病院 内科(免疫・血液・代謝内科)(循環・呼吸・老年病内科)

概要

疾患のポイント:
  1. 遺伝性血管性浮腫(HAE)とは、C1インヒビターの遺伝子変異が原因で様々な場所に発作性浮腫を繰り返す遺伝性疾患である。すべての人種に男女の差なく報告されており、頻度は5万人に1人とされる。
  1. 臨床的には、皮膚、腸管、喉頭の領域の症状が重要で、皮膚の場合は顔面や口唇、四肢に限局して生じる指圧痕を残さない浮腫(non-pitting edema)として気づかれ、腸管に浮腫が起きれば激烈な腹痛を生じ、喉頭に浮腫を生じると呼吸困難や窒息を来す。
  1. わが国のHAE患者の症状の頻度:<図表>
  1. HAEによる手の突発性浮腫:<図表>
  1. HAEによる口唇の突発性浮腫:<図表>
  1. 腹部CT所見:<図表>
  1. 下顎矯正術後に発症した喉頭浮腫:<図表>
  1. HAEの浮腫のメカニズムとC1インヒビター(C1-INH)の働き:<図表>
  1. なお、突発性浮腫とは、以下のような特徴を持つ浮腫のことである。この症状を示す患者のなかに遺伝性血管性浮腫が隠れていることを常に考えておくべきである。
  1. 発作性、限局性に生じる
  1. 数分から数時間で症状が完成する
  1. 眼瞼、口唇、喉頭や四肢、消化管に生じやすい …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時、スクリーニングをするための検査
  1. 疑った場合にはまず補体C4を測定する。補体C4の低下は発作時にほぼ必発、症状のないときでも患者の98%で低下している。ただし感度は100%ではないので繰り返して確認する。
  1. 次にC1インアクチベーター活性を評価し、その低下を確認する。
  1. C1インヒビター遺伝子異常を同定することで、確定診断となる。
○ 疑い症例ではまず1)を評価し、次いで2)、3)を評価することで確定診断となる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

HAEを疑った場合の診断アルゴリズム
わが国のHAE患者の症状の頻度
HAEによる手の突発性浮腫
HAEによる口唇の突発性浮腫
下顎矯正術後に発症した喉頭浮腫
皮膚の浮腫、腹痛発作、喉頭浮腫の初発年齢
わが国の患者で、皮膚、腹痛、喉頭浮腫を問わず、何らかの症状が初発した年齢
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著者校正/監修レビュー済
2016/12/28


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