微小変化型ネフローゼ症候群 :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
今井圓裕 中山寺いまいクリニック

概要

疾患のポイント:
  1. 微小変化型ネフローゼ症候群(minimal change nephritic syndrome、MCNS)とは、光学顕微鏡で正常もしくは軽微なメサンギウムの変化を伴うネフローゼ症候群である。
  1. 成人の一次性ネフローゼ症候群の約40%を占める。
  1. 10歳以下の子どものネフローゼ症候群のうち約90%を占める。大人でも起こることがあり、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)に関連するものや、傍腫瘍症候群、特にホジキン病に伴って起こることがある(ネフローゼ症候群の診断基準: >詳細情報 )。
  1. 特徴は、比較的急激な発症、小児~青年期に頻度が高い、ステロイド薬が奏効する場合が多いことである。
  1. 腎前性の急性腎障害を合併することがある。
  1. 慢性腎不全に至ることはない。ただし、急性腎障害が遷延した場合には腎機能障害を残すこともある。
  1. 微小変化型ネフローゼ症候群を含む、一次性ネフローゼ症候群は、指定難病であり、その一部は申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。([平成27年7月施行])
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
 
診断: >詳細情報 
  1. 急激な発症を示す病歴とステロイド薬が奏効することから微小変化群と判断する。
  1. 確定診断には、腎生検が有用ではある。しかし、小児の発症では、腎生検は原則として行わずに治療を開始することが多い。逆に成人では多くの疾患を鑑別する目的で腎生検を行うことが多い。
  1. 腎生検の結果では、光学顕微鏡では異常を認めず、蛍光抗体法でもすべて陰性である。また、電子顕微鏡では広範な上皮細胞足突起の融合が認められることがある。
  1. 皮疹、補体の低下、自己抗体陽性など他のネフローゼ症候群の原因疾患を示唆するような所見がないことを確認する。
  1. 全身性エリテマトーデス(SLE)、糖尿病、アミロイドーシス、ホジキン病、B型肝炎、C型肝炎、HIV、梅毒など他のネフローゼ症候群の原因となる疾患を、リスクに応じて検査する。
 
重症度・予後: >詳細情報 

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

緊急対応
  1. MCNSの緊急対応は全身性浮腫による肺水腫である。
  1. すべての患者において、全身性浮腫がないかどうか検討する。四肢の浮腫以外に胸部X線による胸水貯留の確認を行う。また、起坐呼吸などの症状がある場合、大量の胸水貯留があり、肺水腫を認め、呼吸が困難になっている場合には、限外濾過による除水を考慮する。フロセミドに反応して利尿がある場合は、経過を観察することも可能である。
○ 肺水腫を疑う場合は1)を行う。

追加情報ページへのリンク

薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

微小変化型ネフローゼ症候群の治療のアルゴリズム
著者校正/監修レビュー済
2018/02/28


  • 腎臓 の他のコンテンツを見る
詳細ナビ