脳梗塞 :トップ    
監修: 内山真一郎 国際医療福祉大学臨床医学研究センター
井口保之 三村秀毅 東京慈恵会医科大学 神経内科

概要

疾患のポイント:
  1. 脳梗塞とは、脳卒中の一種で、脳動脈に血栓、凝固塊、脂肪塊、石灰片、腫瘍塊などが詰まって血流を止めてしまうため、脳細胞が壊死する疾患である。
  1. なお、脳卒中とは、脳梗塞を含む、(脳実質の)脳出血、くも膜下出血、脳動静脈奇形に伴う頭蓋内出血の4つのすべてを包括する脳血管疾患を意味する概念である。
 
診断: >詳細情報 
  1. 一般身体所見、神経学的所見を確実に評価し、脳梗塞か否か、脳梗塞だとすれば病変部位はどこかを推定したうえで、CTやMRIなどで画像診断を行い診断確定となる。
  1. 緊急MRIによる評価が難しい施設では、CTによる評価を行う。CT検査は、通常、脳梗塞症状を認める患者において脳出血を除外する目的で撮影され、脳出血を除外できた場合は脳梗塞の可能性が高いと判断して血栓溶解療法の適応の評価へとすすむ。一方、緊急MRIのとれる施設ではMRI拡散強調画像における高信号変化や、MRAでの責任血管の閉塞・狭窄所見を認めることにより診断確定となることが多い。
  1. CT所見としては、脳実質の虚血部位を示すレンズ核構造の消失や皮髄境界不鮮明化などを示すことがある(感度3割程度)。また、MRIの拡散強調画像では脳梗塞巣が鮮明に高信号として描出される(感度8~9割程度)。
  1. 並行して、病歴と既往歴、画像所見、脳波所見、簡易血糖測定で評価し、低血糖、けいれん、片頭痛を除外する。ただし初診時にこれらの疾患のすべてが除外できるとは限らないため継続した評価が必要になることがある。
  1. 発症数時間以内の急性期においては、MRI拡散強調画像でも病変が検出できないことがあるため留意が必要である。検査は脳梗塞診断には、欠かせない重要なツールだが、画像だけに頼ると診断を誤ることがある。病歴と診察所見を優先し、画像検査やほかの検査は、あくまで補助検査であることを認識する。
 
脳梗塞の病型の評価: >詳細情報 
  1. ポイント:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時の評価のための検査例
  1. rt-PA静注療法が適応かを確認するため、NIHSS(米国立衛生研究所脳卒中スケール)、血液検査(血糖、血小板、ワルファリン内服中の患者のPT-INR、ヘパリン投与中の患者のAPTT、重篤な肝障害、急性膵炎)、頭部CTまたはMRIを行う。
○ rt-PA静注療法の適応の評価のため下記の検査を考慮する。6)を行える場合は、5)を行わなくてもよい。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

脳梗塞のアルゴリズム
TOAST分類を用いた脳卒中臨床分類のアルゴリズム
NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)スコア
開頭外減圧術の適応
頸動脈ステント留置術
アルテプラーゼ静注療法のチェックリスト
アルテプラーゼ静注療法の適応を決める前に必要な臨床検査と画像検査
アルテプラーゼ静注療法後の管理指針
AHA/ASAのガイドラインにおける血管内治療が推奨される条件
著者校正/監修レビュー済
2018/03/15

編集部編集コンテンツ:
 
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