一過性虚血性発作 :トップ    
監修: 内山真一郎 国際医療福祉大学臨床医学研究センター
岡田 靖 国立病院機構九州医療センター

概要

疾患のポイント:
  1. 一過性虚血性発作(TIA)とは、一過性に片側脱力、言語障害、視野障害などの局所神経症状を示し、その神経徴候が24時間以内に消失する疾患である。
 
診断:アルゴリズム >詳細情報 
  1. 脳出血を含む完成型脳卒中、循環代謝・末梢神経疾患、TIA類似疾患(失神、てんかん、低血糖、末梢神経障害、末梢性めまい)を除外し、問診による一過性の局所神経症状の確認と、TIAを起こし得る危険因子や血管病変を確認することによりTIAの診断となる。なお、一過性の意識障害を来すことは少ない。
  1. 血管病変またはリスクの評価には、下記に記すABCD2スコアが役立つ。ABCD2スコアが高いほど失神、けいれん、片頭痛などではなく、真のTIAの可能性が高くなる。特に、ABCD2スコア4点以上で発症後24~48時間以内のTIAは、緊急診療が必要である[1]。 エビデンス  エビデンス  エビデンス  エビデンス 
  1. TIAの補助診断と評価の目的でMRI拡散強調画像、MRA、頚部血管エコー、心電図・心臓超音波、血液検査を実施する。
  1. MRIで病巣の有無を確認する。MRI拡散強調画像(DWI)の結果により、DWI陽性のTIA、MRI拡散強調画像陰性のTIAの評価をする。米国ではMRI拡散強調画像陽性の場合に脳梗塞のカテゴリーに入れる。病巣不明で、ごくわずかでも神経症状が24時間以上持続している場合には、臨床的な脳梗塞症として取り扱う。
 
ABCD2スコア:
  1. ABCD2スコアとは、TIA発症後の脳卒中に進展するリスクを初期診療で評価するリスクスコアである。また、真のTIAの可能性の評価としても役立つ評価基準である。 …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

専門外来初診時
  1. 専門外来初診時では、ABCD2スコア(上記)、MRI-DWI、心房細動・心不全・頚動脈または頭蓋内脳動脈狭窄の有無、凝固能亢進の有無について受診日に迅速に検査する。
  1. 具体的には、病歴聴取後、脈拍、血圧測定、血管雑音聴取、神経学的診察を行い、心電図、採血(血糖、脂質、BNP、Dダイマー)、拡散強調画像、T2*画像、頭蓋内血管のMRAを含むMRIを撮像、頚部血管超音波検査を当日に実施し、入院の適否を評価する。 エビデンス 
○ 上記に従い下記の検査を考慮する。

追加情報ページへのリンク

 

リファレンス

img  1:  日本脳卒中学会脳卒中ガイドライン[追補2017]委員会編:脳卒中治療ガイドライン2015[追補2017] TIAの急性期治療と再発予防、p31-37、協和企画、2017
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

一過性虚血性発作の診療・治療のためのフローチャート
著者校正/監修レビュー済
2018/05/23


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