今日の臨床サポート

呑酸

著者: 稲森正彦 横浜市立大学 医学教育学

監修: 木下芳一 兵庫県立はりま姫路総合医療センター

著者校正済:2022/01/12
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本消化器病学会:胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021 改訂第3版
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 呑酸を訴える患者の多くは、胃酸の食道への逆流による症状、つまり胃食道逆流症が原因です。胃酸が逆流する原因は、胃酸の増加、ピロリ菌感染率の低下、食道裂孔ヘルニア、肥満、加齢が挙げられる。
  1. 典型的な症例では酸分泌抑制薬が著効する。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
稲森正彦 : 特に申告事項無し[2022年]
監修:木下芳一 : 講演料(武田薬品工業,大塚製薬,アストラゼネカ,第一三共,ヴィアトリス,EAファーマ,アステラス製薬),奨学(奨励)寄付など(EAファーマ)[2022年]

改訂のポイント:
  1. 2021年に改訂された、胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021 改訂第3版に基づき、治療フローチャートの記載などについて変更を行った。

病態・疫学・診察

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 呑酸は、のどの辺りや口の中が酸っぱいと感じる、あるいは胃の内容物が逆流する感じがする症状である。
  1. 原因疾患は、主に胃食道逆流症であり、最近は日本人にも増加してきている。背景には、食の欧米化や日本人の体格の向上などがある。内臓脂肪型肥満や高齢女性の背骨の変形により、胃酸の逆流が起こりやすくなってきている。
  1. 内視鏡検査を必ず受けなければならないというわけではない。
  1. 食事や生活習慣の改善に加え、胃酸の分泌を抑える薬(カリウム競合型アシッドブロッカー[P-CAB]やプロトンポンプ阻害薬[PPI])で治療する。食事の摂取量を抑え、特に脂肪分が多い料理を控える。また食べてすぐ横になるのを避ける。
 
  1. 呑酸とは、のどの辺りや口の中が酸っぱいと感じる、あるいは胃の内容物が逆流する感じがする症状のことです。呑酸を訴える患者の多くは、胃酸の食道への逆流による症状、つまり胃食道逆流症が原因です。胃酸が逆流する原因は、胃酸の増加、ピロリ菌感染率の低下、食道裂孔ヘルニア、肥満、加齢が挙げられる。(参考文献:[1][2]
  1. 呑酸を主訴に受診する外来患者は、緊急性の高い患者は少ないが、胃食道逆流症以外に常に鑑別すべき疾患を意識しておく必要がある。消化器疾患としては、胃・十二指腸潰瘍、食道癌、胃癌、食道アカラシア、 耳鼻咽喉科領域としては咽頭違和感、慢性喉頭炎、咽頭喉頭腫瘍、さらに精神心理的要因、循環器疾患として、狭心症、心不全、呼吸器領域の慢性咳嗽、気管支喘息、慢性気管支炎などがある。内視鏡検査は必須ではないが、患者の状態に応じて施行する必要がある。また酸分泌抑制薬の内服治療により症状が改善した場合も、ほかの症状の出現に注意しておく必要がある。
問診・診察のポイント  
  1. 胃酸逆流による症状は主に食後2~3時間以内に生じることが多いため、食後の症状であるかどうか、過食後、高脂肪食摂取後などにも生じやすいので、関連があるかどうかを聞く。

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文献 

Peter J Kahrilas, Colin W Howden, Nesta Hughes
Response of regurgitation to proton pump inhibitor therapy in clinical trials of gastroesophageal reflux disease.
Am J Gastroenterol. 2011 Aug;106(8):1419-25; quiz 1426. doi: 10.1038/ajg.2011.146. Epub 2011 May 3.
Abstract/Text OBJECTIVES: The typical symptoms of gastroesophageal reflux disease (GERD) are heartburn and regurgitation. Extensive analysis has characterized heartburn and its responsiveness to proton pump inhibitor (PPI) therapy, but regurgitation has received relatively little attention. This study aimed to evaluate the response of regurgitation to PPI therapy in GERD trials.
METHODS: Studies were identified by systematic searches in PubMed and Embase, as well as searching congress abstracts and the reference lists of Cochrane reviews.
RESULTS: Regurgitation was not an entry criterion or the primary end point in any of the 31 clinical trials reporting the response of regurgitation to PPI treatment in GERD. The definitions of regurgitation and responsiveness varied among trials and over half used investigator assessment of response. Owing to these inconsistencies, no meta-analysis was attempted. In seven placebo-controlled trials of PPI therapy, the therapeutic gain for regurgitation response averaged 17% relative to placebo and was >20% less than that observed for heartburn. Studies comparing PPIs with histamine-2 receptor antagonists or prokinetics found the comparator drug response similar to the placebo response rates seen in the placebo-controlled trials.
CONCLUSIONS: The therapeutic gain with PPIs over placebo or comparator agents for the relief of regurgitation is modest, and considerably lower than for heartburn. Thus, regurgitation is likely to be an important factor for determining incomplete response to PPI treatment in GERD. Future trials would benefit from using regurgitation as a primary end point, applying an unambiguous definition of the symptom and of a positive treatment response, and using a validated patient-reported instrument for regurgitation assessment.

PMID 21537361

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