今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 永田見生 久留米大学 理事長

監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室

著者校正済:2024/08/07
現在監修レビュー中
患者向け説明資料

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 頚椎症性筋萎縮(cervical spondylotic amyotrophy)は肩や上腕の筋力低下を呈する近位型と、前腕や手の筋萎縮を呈する遠位型がある。
  1. 遠位型は若年性一側上肢筋萎縮症(平山病)と呼ばれ、病態は屈曲脊髄症(flexion myelopathy)とされ近位型とは異なる[1][2]
  1. 近位型が多いので、ここでは近位型の頚椎症性筋萎縮について述べる。近位型頚椎症性筋萎縮はKeegan型解離性上肢麻痺(dissociated motor loss)[3][4][5][6][7][8][9][10]、頚椎手術後の発生はC5麻痺と呼ぶことが多い[11]。近位型頚椎症性筋萎縮のほとんどは、片側の肩の挙上ができないか、挙上困難を訴えて受診する。患者には患側の三角筋のみならず、上腕二頭筋、前腕回外筋の筋力低下も認める。
  1. 約半数に、発症以前の頚椎外傷などの頚部に関する誘因があり、85%に頚部か肩の痛み、上肢の違和感などの前駆症状がある[8][10]
  1. 著者施設に来院した肩の挙上筋力が徒手筋力テスト(MMT)でpoor(2)以下の130例の経験では、男女比は4:1と男性に多く、年齢は平均56±14歳(17~88歳)、左右差はなく、両側例はまれである3例(2.3%)。
  1. 原因については脊髄障害、神経根障害説がある。
 
近位型頚椎症性筋萎縮の発症メカニズム

C5 and/or C6の神経根あるいは前角部が動的 and/or 静的因子により損傷を受け、運動麻痺が発症する。

出典

著者提供
問診・診察のポイント  
問診のポイント:
  1. 発症時期を確認する。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
永田見生 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:酒井昭典 : 講演料(旭化成ファーマ(株),日本臓器製薬(株),帝人ヘルスケア(株))[2024年]

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頚椎症性筋萎縮症

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