今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 相野田祐介 東京医科大学八王子医療センター 感染症科

監修: 具芳明 東京科学大学大学院医歯学総合研究科 統合臨床感染症学分野

著者校正/監修レビュー済:2025/04/01
参考ガイドライン:
  1. 米国胸部学会(ATS)/米国感染症学会(IDSA):成人市中肺炎診断治療ガイドライン 2019(https://www.idsociety.org/practice-guideline/community-acquired-pneumonia-cap-in-adults/
  1. 日本呼吸器学会:成人肺炎診療ガイドライン2024
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『成人肺炎診療ガイドライン2024』では、誤嚥性肺炎の項目が登場し、またクリニカルクエスチョンに誤嚥性肺炎における嫌気性菌カバー等も登場した。それを踏まえ、疾患情報等や文献を最新のものに修正した。以下は主な加筆内容である。
  1. 誤嚥のリスクが高い状況の中には老衰によるものも含まれ、繰り返す誤嚥性肺炎は老衰の終末期にある場合もある。この場合、患者本人、家族、医療者が一体となって今後の方針を総合的に考えていく必要がある。
  1. 誤嚥性肺炎において、嫌気性菌カバーのある抗菌薬の推奨度は決定不能としており、エビデンスの確実性も非常に弱いとしている。
  1. 非挿管患者の口腔ケアにおけるシステマティックレビューでは、全死亡に有意差は認めなかったものの、口腔ケア実施群では肺炎による死亡率や初回肺炎発症予防に有意差を認めており、成人の(誤嚥性肺炎以外も含む)肺炎予防に対して口腔ケアを弱く推奨している。

概要・推奨   

  1. 誤嚥性肺炎とは、細菌が唾液や胃液とともに肺に流れ込んで生じる肺炎である。誤嚥のリスクがある状態の肺炎で考慮する。
  1. 誤嚥性肺炎の抗菌薬は、明らかな嫌気性菌の関与が考慮される状況(肺化膿症・膿胸)などの所見がある場合には、β-ラクタマーゼ産生型嫌気性菌カバーのあるものを選択することが推奨されている(推奨度2、R)。ただし、誤嚥性肺炎におけるルーチンの嫌気性菌カバーの推奨度は決定不能とされている(推奨度3、MJG)
  1. メトロニダゾール単剤の治療は推奨されていない。メトロニダゾールを用いる場合には、必ず口腔内レンサ球菌などに感受性のある薬剤([ペニシリンG[PCG]やアモキシシリン[AMPC]など)を併用する必要がある(推奨度3、O)
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病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. 誤嚥性肺炎とは、細菌が唾液や胃液とともに肺に流れ込んで生じる肺炎である。誤嚥が背景にある状態の肺炎で考慮する。
  1. 国際的に定められた明確な診断基準はないが、市中肺炎の5~15%が誤嚥性肺炎と考えられるという報告もある。
  1. 国内の東北地域における多施設研究では、急性期病院の入院肺炎症例の38.4%、70歳以上の高齢者では42.8%が誤嚥性肺炎だったという報告もある[1]。ただし、この報告は後ろ向きの観察研究であり、誤嚥性肺炎において嫌気性菌の検出は従来と比べて頻度が低かった(<1%)とも述べられている。
  1. 2022年のシステマティックレビューでは、誤嚥性肺炎の診断には、嚥下障害の有無そのものよりも、高齢者におけるフレイルの程度や複数の基礎疾患などから誤嚥性肺炎と診断される可能性が高いと報告されている[2]
  1. 誤嚥リスクの存在は、市中肺炎による入院から1年以内の何らかの疾患による死亡のHR(Hazard Ratio)が1.73 (95%Cl 1.15-2.58) と高かった。また、再入院 (HR1.52 [95%Cl 1.21-1.91]) や肺炎による再入院 (HR3.13 [95%Cl 2.05-4.78]) との関連性も強く認められた[3]
  1. 誤嚥のリスクが高い状況の中には老衰によるものもあり、繰り返す誤嚥性肺炎は老衰の終末期にある場合がある。この場合は、患者本人、家族、医療者が一体となって今後の方針を総合的に考えていく必要がある[4]
  1. 誤嚥のエピソードだけで安易に誤嚥性肺炎と判断しない。また、誤嚥のみにとらわれず、背景(市中肺炎なのか院内肺炎なのか)を考慮して、口腔内・消化管内常在菌のみでなく、市中肺炎起因菌による肺炎の可能性や院内肺炎起因菌による肺炎の可能性なども常に考慮する。
  1. 胃酸など消化管内容物の誤嚥による化学性の肺炎との鑑別が困難な場合かつ重症例で治療を始めた場合でも、治療開始後、感染症らしくなければ抗菌薬中止を検討する。
 
誤嚥性肺炎のイメージ図

出典

編集部作成
問診・診察のポイント  
  1. 誤嚥リスクの確認。

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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
相野田祐介 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:具芳明 : 研究費・助成金など(MSD(株),ビオメリュー・ジャパン(株))[2025年]

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