今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 藤井博之 日本福祉大学 社会福祉学部 社会福祉学科

監修: 和田忠志 ひだまりホームクリニック

著者校正/監修レビュー済:2022/07/06
患者向け説明資料

概要・推奨   

  1. 在宅医療で病状が比較的安定しているときはリハ側面からの働きかけを行うために、生活機能を評価し、ADLや社会参加を拡大する目標をたて、プログラムを実施し、モニタリングするサイクルを回す(推奨度1)
  1. リハビリテーションのプログラムは、訓練やケアなど人的働きかけと、福祉用具・装具・住宅改修など環境的働きかけの両方で構成する(推奨度1)
  1. 狭義のリハ職(理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST))、リハ施設・事業所(リハ施設を有する病院、広域リハ支援センター、通所リハ・訪問リハ事業所)だけでなく、訪問看護、訪問介護、通所介護、介護施設と、目標とプログラムを共有するチームを組む(推奨度2)

概要 

ポイント  
  1. リハビリテーション(以下リハ)医療をすすめるうえで、在宅医療こそ主な舞台である。したがって、在宅診療医はリハ医療の重要な担い手である。
  1. 同時に、リハ施設を有する病院(リハ専門医・認定臨床医など)が、在宅診療医の相談を受けながら、リハ処方やリハ資源を提供する場面も多く、両者の協働が求められる。
  1. 在宅医療の場面で、病状が比較的安定しているときは、リハ側面からの働きかけを行うチャンスである。逆に病状が不安定なときは、診断・治療に重点をおく診療が必要である。両者の「ギヤ」を切り替えながら診療することで、ダイナミックな在宅医療が実現できる。
  1. 在宅医療を「リハ化する」ための必要条件は、生活機能を評価し、目標をたて、プログラムを実施し、モニタリングし、このサイクルを繰り返すことである。
  1. 目標は長期目標と短期目標で構成し、患者・家族・介護者と共有できる言葉で表現する。
  1. プログラムは、訓練やケアなど人的働きかけと、福祉用具・装具・住宅改修など環境的働きかけの両方で構成する。
  1. 在宅医療のリハでは、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)という専門職や、リハ部門を有する病院・リハ専門病院・広域リハ支援センター、通所リハ・訪問リハ事業所などとチームを組む。しかし、これら狭義のリハ職やリハ施設・事業所だけに限らず、訪問看護、訪問介護、通所介護、介護施設とリハの目標とプログラムを共有するチームワークを構築することが可能かつ大切である。
  1. フレイル症候群、サルコペニア症候群、ロコモティフ症候群、健康の社会的要因(Social Determinants of Health: SDH)など、近年使われるようになった新しい概念は、在宅医療におけるリハビリテーション的アプローチの必要性を強めている。これらに関連した方法としてリハビリテーション栄養、SDHへの働きかけ(いわゆる「社会的処方」)が注目されている。
  1. 在宅医療におけるリハでは、医療保険、介護保険、障害者総合支援など制度を組み合わせて、活用する視点が求められる。それは、いわゆる「地域包括ケア」のネットワーク作りにつながる。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
藤井博之 : 未申告[2024年]
監修:和田忠志 : 未申告[2024年]

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リハビリテーション(在宅医療)

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