今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 篠原 浩 京都大学大学院医学研究科 臨床病態検査学/京都市立病院 感染症内科(非常勤)

監修: 山本舜悟 大阪大学大学院医学系研究科 変革的感染制御システム開発学

著者校正/監修レビュー済:2021/07/14
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、予防接種および難治例の治療について加筆修正した。

概要・推奨   

  1. 三環系抗うつ薬・ガバペンチン・プレガバリンはいずれもRCTで有効性が証明された薬剤であり、帯状疱疹後神経痛の患者においては使用を考慮する(推奨度2)
  1. 帯状疱疹後神経痛の長期にわたる重篤な痛みは、オピオイド系鎮痛薬を必要とすることも少なくない。副作用のコントロールや有害事象に注意しつつ使用する(推奨度2)
  1. 弱毒生水痘ワクチンもしくは組換え帯状疱疹ワクチンの接種により、帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛の頻度はともに低下することが証明されている。特に、帯状疱疹後神経痛の発症率も67~90%低下させる(推奨度1)いずれも、50歳以上で帯状疱疹予防目的での使用が承認されている。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹の皮疹消失後にも1カ月以上その部位に持続する疼痛と定義され、帯状疱疹の最も多い合併症である。
  1. 帯状疱疹の患者の約20%で発症するとされ、若年者での頻度は10%以下であるが、60歳以上の高齢者では40%前後まで頻度が上昇する。
  1. 疼痛は長期にわたって持続することも少なくなく、QOLを低下させる大きな要因となる。
  1. 帯状疱疹を発症したすべての患者において帯状疱疹後神経痛を発症する可能性があるが、特に高齢者で頻度が高い。
 
  1. 弱毒生水痘ワクチン組換え帯状疱疹ワクチンの接種により、帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛の頻度はともに低下することが証明されている。特に、帯状疱疹後神経痛の発症率も67~90%低下させる(推奨度1)
  1. 弱毒生水痘ワクチンの接種により、帯状疱疹・帯状疱疹後神経痛の頻度はともに低下することが証明されている。特に、帯状疱疹後神経痛の発症率も67%低下させる[1][2]
  1. 海外では従来60歳以上に適応が認められていたが、2012年に発表された50~59歳を対象にした臨床試験で有効性が認められ、適応を拡大する流れにある[3]
  1. このことを踏まえ、国産水痘ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」、国際的に使用されているものとほぼ同じ株)に対し、わが国でも2016年3月に50歳以上の帯状疱疹予防目的での使用が承認された。
  1. また、組換え帯状疱疹ワクチンも海外において実施された臨床試験で、帯状疱疹発症・帯状疱疹後神経痛の予防において有効性が証明された。
  1. 帯状疱疹後神経痛の発症予防効果は50歳以上で91.2%、70歳以上で88.8%であった[4][5]
  1. 組換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス®)についても、50歳以上の帯状疱疹予防目的に承認され、2020年1月から販売開始された。
病歴・診察のポイント  
  1. (帯状疱疹の問診・診察のポイントに関しては 帯状疱疹 を参照)

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
篠原 浩 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:山本舜悟 : 企業などが提供する寄付講座(日本財団)[2024年]

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帯状疱疹後神経痛

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