腎梗塞 :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
伊藤千春 長田太助 自治医科大学 腎臓内科学

概要

疾患のポイント:
  1. 腎梗塞とは、主または分枝腎動脈に塞栓性梗塞が生じる病態である。外傷、動脈瘤、不整脈などに伴う血栓症、炎症性疾患、移植腎、動脈撮影などが原因となる。
  1. 腎梗塞は、心房細動に併発する塞栓性閉塞による頻度が最も高い。
  1. 急激な側腹部痛、背部痛、悪心嘔吐などを訴える場合から無症状までさまざまであるが、早期診断・早期治療が重要であるため、尿所見や血液検査で本疾患の可能性がある場合、必ず鑑別診断に入れる必要がある。
  1. 結果的に診断まで数日かかる例も散見され、可及的早期にCT、MRI、腎動態シンチグラフィなどの画像検査を施行して、確定診断を目指す。
 
診断: >詳細情報  アルゴリズム
  1. 血算、生化学(LDH、クレアチニン、BUNを含む)、尿検査、尿培養、腹部CT(造影なし)、腹部超音波を施行する。また、心房細動、心房粗動等の塞栓症リスクの有無確認のため、心電図を行う。
  1. WBC上昇、LDH高値、尿潜血が疾患特異性の高い所見である。
  1. 単純CTで尿路結石が鑑別できれば、造影CTも実施して患側腎の潅流異常を検出し、早めの治療方針決定を目指す。
  1. 確定診断をつけるには、造影CTやガドリニウム造影MRIで楔状の陰影欠損像、腎動態シンチグラフィで腎血流の低下、血管造影での腎動脈血流の途絶を示す。ただし血管造影は侵襲が大きいので、経皮的塞栓除去・血管形成術の適応がある場合に限る。<図表><図表>
 
治療: >詳細情報  アルゴリズム
  1. 初期治療はヘパリン経静脈投与とする。
  1. 動脈造影、経皮的血栓除去の適応がないと判断された場合、ワーファリン内服に移行し、血栓の大型化や新たな血栓形成傾向を抑制する。
  1. 腎虚血に伴うレニン・アンジオテンシン系活性の上昇による高血圧を伴う場合、アンジオテンシン変換酵素阻害薬やアンジオテンシンII受容体阻害薬を投与する。
  1. 症状がある場合は原則入院加療とする。
 
専門医相談のタイミング: …

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

初診時に腎動脈塞栓をスクリーニングするための検査例
  1. 腎梗塞は特異的な臨床所見に乏しいが、初期スクリーニング所見が鑑別の参考になる。
○ 塞栓症の高リスク患者(臨床のポイント参照)では、一般検査だけではなく、心電図で心房細動の有無を、腹部単純CTで結石の有無を評価する。

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薬剤監修について:
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※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
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(詳細はこちらを参照)

腎梗塞の診断・治療
腎梗塞のMRI画像
腎梗塞1年後のフォローアップCT
片側の腎梗塞
著者校正/監修レビュー済
2016/08/05


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