ネフローゼ症候群 :トップ    
監修: 木村健二郎 地域医療機能推進機構 東京高輪病院
丸山彰一 名古屋大学腎臓内科

概要

ポイント:
  1. ネフローゼ症候群とは、腎糸球体係蹄の障害により蛋白透過性が亢進した結果生じる、大量の蛋白尿と低蛋白血症を特徴とする症候群で、腎機能障害(急性腎障害を含む)のほか、浮腫、脂質異常症、凝固異常、免疫異常、脂質異常などを認める。免疫抑制治療に伴う感染症も臨床的に問題となる。
  1. 治療法は病型によって異なる。小児では微小変化型が多数を占めるが、成人では一次性、二次性を含め、多くの病型がある。
 
成人ネフローゼ症候群の診断基準:
  1. 1:蛋白尿:3.5g/日以上が持続する(随時尿において尿蛋白/尿クレアチニン比が3.5g/gCr以上の場合もこれに準ずる)。
  1. 2:低アルブミン血症:血清アルブミン値3.0g/dL以下(血清総蛋白量6.0g/dL以下も参考になる)
  1. 3:浮腫
  1. 4:脂質異常症(高LDLコレステロール血症)
  1. 上記の1、2を同時に満たすことが本症の診断の必須条件である。3は必須ではないが重要な所見、4は参考所見である。また、卵円形脂肪体は本症候群の診断の参考となる。
 
小児におけるネフローゼ症候群の定義:
  1. 1:ネフローゼ症候群:高度蛋白尿(夜間蓄尿で40mg/時/m2以上)
または早朝尿で尿蛋白クレアチニン比 2.0g/gCr以上
  1. 2: 低アルブミン血症(血清アルブミン2.5g/dL以下)
  1. 上記の1、2を同時に満たすことが本症の診断の必須条件である。
 
 
鑑別疾患:
  1. 低アルブミン血症を呈する以下のような疾患が鑑別に挙がる。
  1. 慢性心不全
  1. 肝硬変症
  1. 蛋白漏出性胃腸症
  1. 高度低栄養状態
 
一次性と二次性ネフローゼ症候群:
  1. ネフローゼを来す疾患は大きく、他に明らかな原因疾患のない一次性(原発性糸球体障害)と、原因疾患を持つ二次性の疾患に分類される。一次性では、微小変化型ネフローゼ症候群が最も多く(約40%)、次いで膜性腎症(約30%)、巣状分節性糸球体硬化症(約10%)、メサンギウム増性糸球体腎炎(IgA腎症を含む)(約8%)、膜性増殖性糸球体腎炎(約4%)となっている。一方、二次性としては、糖尿病性腎症、ループス腎炎、アミロイド腎症、ANCA関連腎炎などが挙げられる。(エビデ…

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
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(詳細はこちらを参照)

著者校正/監修レビュー済
2018/04/18

改訂のポイント
  1. エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン2017
を基づき、改訂を行った。