急性胃炎・慢性胃炎

著者: 小早川雅男 福島県立医科大学 医療研究推進センター

監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院

著者校正/監修レビュー済:2020/05/14
参考ガイドライン:
  1. 日本消化器病学会:機能性消化管疾患診療ガイドライン2014―機能性ディスペプシア(FD)
  1. 日本ヘリコバクター学会H.pylori感染の診断と治療のガイドライン 2016改訂版
  1. EHMSGManagement of Helicobacter pylori infection—the Maastricht V/Florence Consensus Report

概要・推奨  

  1. 胃粘膜組織中に好中球と単核球を認めた場合には、ピロリ菌感染が原因である活動性慢性胃炎であると推測され、急性胃炎であるAGMLの一因もピロリ菌の初感染の可能性があり、ピロリ菌の感染診断を考慮することが勧められる(推奨度1)。
  1. ピロリ菌感染による慢性胃炎のある患者、特に胃粘膜萎縮の進行した症例には定期的な胃癌のスクリーニングが勧められる(推奨度1)。
  1. 慢性胃炎の患者について、早期胃癌を内視鏡治療によって治療した後はピロリ菌の除菌を行うことが強く勧められる(推奨度1)。
  1. 上腹部の不快感などの症状を伴った機能性ディスペプシア(FD)を合併した慢性胃炎の患者について、ピロリ菌の除菌治療による慢性胃炎の改善が症状の改善については6-12ヵ月を要し、その効果は限定的であることを理解したうえで除菌することが勧められる(推奨度2)。
  1. 慢性胃炎の患者の一次除菌治療について、わが国ではPPI(P-CABを含む)、AMPC、CAMの7日間投与による3剤併用療法が勧められる(推奨度1)。
  1. 慢性胃炎の患者の二次除菌治療について、わが国ではPPI(P-CABを含む)、AMPC、MNZの7日間投与による3剤併用療法が勧められる(推奨度1)。
  1. ピロリ菌の感染診断の前には、PPI(P-CABを含む)を少なくとも2週間以上、可能であれば4週間は休薬することが勧められる(推奨度1)。
  1. 胃粘膜萎縮を伴った慢性胃炎の患者において、ピロリ菌の除菌治療は長期的には、胃粘膜萎縮の改善をもたらし胃癌の発症予防効果が期待されるので、ピロリ菌を除菌することが推奨される(推奨度2)。
  1. 腸上皮化生を伴う慢性胃炎の患者には、ピロリ菌の除菌後も腸上皮化生の改善はあまり認められず、除菌後も胃癌の発生について注意深い経過観察が勧められる(推奨度2)。
  1. 慢性胃炎の患者の除菌後には、長期的には逆流性食道炎のリスクがピロリ菌未感染者のレベルまで高まる可能性があることを念頭に除菌治療を行うことが勧められる(推奨度2)。
  1. ピロリ菌の感染診断のみでなく、血清ペプシノーゲン値の測定や、…
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適用の査定において保険適用及び保険適用外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適用の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)

改訂のポイント:
  1. 定期レビューにて記載整備を行った。
  1. ピロリ菌の年齢別感染率については、最新の文献に差し替えた。
  1. ピロリ菌の感染による慢性胃炎の所見を、最新の京都分類に基づく検証からの引用に差し替えた。

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