急性胃炎・慢性胃炎 :トップ    
監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院
小早川雅男 国立国際医療研究センター病院 消化器科

概要

疾患のポイント:
  1. 病理組織学に基づいた急性胃炎・慢性胃炎と、機能性ディスペプシア(FD:functional dyspepsia)としての「症候性胃炎」 機能性ディスペプシア や内視鏡的に観察される「形態学的胃炎」との違いに注意が必要である。
  1. わが国で用いられるさまざまな胃炎:<図表>
  1. 急性胃炎とは、ピロリ菌の初感染( エビデンス )、アルコール多飲、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)内服などさまざまな原因で引き起こされ、内視鏡的には急性胃粘膜病変(AGML)などとして観察される急性・一過性の胃の炎症である。
  1. 一方、慢性胃炎とは、ピロリ菌の持続感染を主な原因とする無症候性の胃の炎症であり、消化性潰瘍や胃癌の発生に関連する。
 
急性胃炎:
  1. 胃粘膜に一過性の急性炎症細胞浸潤を伴う病態である。
  1. 通常は、激しい上腹部痛や嘔吐などを伴う。
  1. 内視鏡検査では、多くは急性胃粘膜病変(AGML)として認識される。
 
慢性胃炎:
  1. 慢性胃炎の病態の本質は胃粘膜組織における慢性炎症細胞の浸潤である。
  1. 通常、ピロリ菌感染のある胃には慢性胃炎があり、ピロリ菌感染のない胃には慢性胃炎はない。
  1. 慢性胃炎が持続することにより、年齢とともに胃粘膜萎縮および腸上化生が進展する。
  1. ピロリ菌感染による慢性胃炎により胃酸分泌が影響される。
  1. 多くの慢性胃炎の患者は、無症候であるが、消化性潰瘍や胃癌のリスクとして重要である。
  1. 除菌治療により、胃粘膜への炎症細胞浸潤は消失する。
 
急性胃炎・慢性胃炎の診断アルゴリズム:
  1. 急性胃炎・慢性胃炎の診断には内視鏡検査が必要である。
  1. 内視鏡検査にて無症状の慢性胃炎がみつかることがある。
  1. 急性胃炎・慢性胃炎の診断アルゴリズム:

評価・治療の進め方

※選定されている評価・治療は一例です。症状・病態に応じて適宜変更してください。

急性胃炎の鑑別
  1. 急性に発症する上腹部痛および悪心・嘔吐を伴う病態で、急性胃炎の頻度は実際には多くない。胆石疾患、急性膵炎、虫垂炎、心筋梗塞などの鑑別が重要である。
〇 上腹部症状の性質と重篤度に応じて下記の検査を施行する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 片山志郎 以下、林太祐、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、
著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)

急性胃炎・慢性胃炎の診断アルゴリズム
わが国で用いられるさまざまな胃炎
ピロリ菌感染による慢性胃炎と関連疾患
ピロリ菌の年齢別感染率
AGMLの内視鏡像
ピロリ菌感染に特徴的な内視鏡所見
著者校正/監修レビュー済
2017/02/28


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